パック旅行を再評価する“旅の達人”

7月27日の記事http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20070727で紹介した友人も含め、旅行業界OBや旅慣れた友人たちとの話の中でよく“パック旅行を再評価しよう”といった話題が出るようになった。
 対テロ対策のためのセキュリティ強化、治安の悪化などから、旅程管理が義務づけられている添乗員付きツアーが安心というのも大きな理由だが、ユーロ高に伴い(仕入れが1年から半年前に行われる)パック旅行の方が個人旅行よりも割安感があるというのも一因だ。
 個人的には、飛行機や鉄道も含めたヨーロッパの公共交通機関に遅延や運行キャンセル、老朽化対策工事等のための迂回の頻発なども個人旅行をやりにくくしている気がする。
 さらに、自分自身の体力の低下とそれに伴う集中力不足による忘れ物・盗難の発生もパック旅行に頼りたくなる要因だ。
 また、中国やインドなどの経済力上昇に伴い、新規の膨大な旅行需要が生まれ、ホテルなどの個人旅行者向け価格が急激に上がり、なおかつ確保しにくくなってきているという現状もある。

日本のパック旅行の質の高さと多様性は、長い間競争原理にさらされたためもあって誇るべき文化のひとつだと思うが、もちろん主催会社とその商品クラス(第一ブランドなど)によっては、劣悪な内容のものも少なくない。
だが、旅行業界OBや旅慣れた友人たちは、実にしっかりした“パック旅行選び”をしており、「こんなパック旅行よく見つけたね!」などと教えられることが多い。最近も、「早期リタイア・転職した旅行業界OBが集まって“旅の暮らしの手帖”みたいなブログを作って、業界と旅行者にささやかな恩返しをしようよ」と話をしたばかりだ。

私自身のパック旅行選択基準は、“もうこの歳だからその国を2度と訪れることはないだろう”との前提の元に、2週間以上かけてじっくりと見て回れるものが第一だ。この点については「長期のパック旅行を探す方法」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20070208でもふれた。
 実際には、「パック旅行に手を加えてセミ・オーダーメイド型旅行に」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20060529で書いたように、2週間のパックに参加しても最終地で延泊のアレンジをして“土地勘のある都市で1週間前後の個人旅行を最後に追加”というのが理想的だ。

 このほかの個人的なパック旅行選択基準を挙げると、①添乗員の質が高い(添乗員指名でツアーを選べる旅行商品もある)、②良質な食事を手配(もしくは食事手配なし)、③ホテルを旧市街に確保、④コースにあった最適航空会社が選択されている、⑤連泊が中心で早朝の出発を避けるゆったりした旅程、⑥参加客層が自分と似た価値観を持つ、⑦3日に1回は半日以上の自由行動日が設定されている などだ。

ところで、最近、近所の区立図書館で旅行関連の雑誌のバックナンバーを借りてきて、関心のある記事をコピーすることを始めたのだが、読み逃していた興味深い記事に出会えることが多い。

その中で小学館の隔月刊誌「駱駝」 http://www.e-rakuda.jp/の06年8-9月号に駱駝インタビュー「ジャーナリスト・兼高かおる 地球を180周、160か国を訪れた先達的旅人」という記事があり、「この歳になって初めて、優秀な添乗員が同行する旅は楽だと知りました」という我が意を得たりの記事があった。記事の一部は「駱駝サロン」のバックナンバー紹介ページhttp://www.e-rakuda.jp/common/html/2006_08-09/tokushu11.htmlで読むことができる。

 読むことができるといえば、雑誌「ダカーポ」紹介記事http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20070309でも紹介したが、「駱駝」も、㈱富士山マガジンサービスhttp://www.fujisan.co.jp/Product/1281681329/からの配信で、デジタル雑誌ストアhttp://www.fujisan.co.jp/digitalmagazine.aspで購入できる。購読には無料のソフトウェアFujsan Readerのダウンロードhttp://www.fujisan.co.jp/FujisanReaderForm.aspが必要。
ユーザー登録すれば、「デジタル版駱駝」(雑誌版の抄録)の見本誌を無料で配信http://www.fujisan.co.jp/magazine/1281681329/free/してもらうこともできる。私は、見本誌ダウンロードの手続きを済ませて3時間ほど後に、配信があった。なお、ダウンロードや見本紙購入の手続きはあくまでも自己責任で。


■今日のブックマーク&記事■
□「兼高かおる旅の資料館」http://www.onokoro.jp/page05.htm 
「淡路ワールドパーク」(兵庫県淡路市http://www.onokoro.jp/index2.htmlにある 
 兼高かおるさんが世界の国々で収集した多数のコレクションや旅した30カ国の様子をVTRで紹介する資料館。
□「rybickaのプラハチェコ日記」http://d.hatena.ne.jp/rybicka/
チェコ人と結婚してプラハに住むrybicka(リビチカ=小さい魚)がおくるプラハチェコ生活情報ブログ。最新の記事、「ペンドリーノでストーンズに会いに行く!」http://d.hatena.ne.jp/rybicka/20070722チェコ版“新幹線”を詳しくレポートしている。

駱駝 (ラクダ) 2007年 08月号 [雑誌]

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私の好きな世界の街 (新潮文庫)

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