東レ製の炭素繊維(カーボン)等の複合材料の使用比率が約50%と言われるボーイング787 は、複合材の特性を活かしたジェット旅客機としては画期的な設計がなされているようだ。
従来の機材は耐腐食性等の問題があり、金属を錆びさせる原因となる加湿器を客室部分で稼働させることが難しかった。B787は、機体に複合剤を使用しているため加湿器を客室部分にも搭載することが可能となり、これまでの航空機が湿度を10%以下にしていたのに比べ、20〜30%に保つことができるようになった。また、「気体フィルター」と呼ばれる新型フィルターを搭載し、従来のフィルターでは除去できなかった気体分子も除去できるようになっている。これらの改良により、乾燥などによる喉の痛みは、従来機に比べ発生しにくくなっているようだ。
また、ジェット機の通常の飛行高度約1万mの上空では、0.2気圧、地上の5分の1にまで下がっているが、機内の気圧は地上より低い 0.7〜0.8気圧で、標高2,000〜2,500mの山の気圧に等しい。従来の機材では、胴体の強度の問題があり、それ以上高い気圧にすることができなかった。B787は、複合材の使用により標高1,800m前後の気圧まで高めることができる。これにより、耳が痛くなるといった気圧の変化による不快感も少しは軽減されるはずた。さらに、機体強度の向上により、窓の大きさも従来のジェット機よりも約1.2〜1.65倍も大きくすることが可能となった。
個人的には、低い気圧では「酒の酔いが地上の3倍まわる」という点が、少しでも解消されるのではと期待している。また、足のむくみなども軽減されるという説もあるようだ。
このような理由で、プロの歌手など、湿度に敏感な人や気圧の変化に弱い人の中には、極力ボーイング787のフライトを利用するという人が増えているという。
ボーイング社B787 型機の概要http://www.boeing.jp/787、Wikipediaボーイング787 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0787 などのページも参照のこと。
今現在、世界を飛んでいるB787の3Dマップは同社のflight tracker http://www.boeing.com/commercial/787/#/flight-trackerで見ることができる。導入航空会社別の表示も可能だ。
航空関係の話題をもうひとつ。
長崎在住の者として、長崎市内から高速バスで2時間20分ほどの福岡空港からアムステルダムに週3便運航していたKLMは貴重な存在であったが、10月25日から始まった冬スケジュールでは、週2便に減便され、さらに、2016年1月4日福岡発を最後に福岡〜アムステルダム線を運休すると発表があった。
捨てる神有れば、拾う神で、KLMの代わりにフィンエアー(フィンランド航空)が2016年春から福岡−ヘルシンキ線を週3便開設するという発表もあった。就航日は5月8日を予定しているらしいが、早期就航を要望する声が多いため「ゴールデンウィーク前には就航したい」とのことだ。
フィンエアーは、日本航空、ブリティッシュ・エアウェイズの共同事業の一環として運航するとのことなので、もし、JALとのコードシェアになれば、JALマイレージでの利用が可能になるかも知れない。
ヘルシンキが、ヨーロッパと日本を最短で結ぶシベリア上空通過路線上にあるため、ヨーロッパ各都市への乗り継ぎも大変便利だ。
予定される運航スケジュールは、下記の通り。使用機材はエアバスA330型機を予定。
AY076便 (水・金・日)福岡 09時30分発/ヘルシンキ 13時55分着
AY075便 (火・木・土)ヘルシンキ 16時30分発/福岡 翌08時00分着
■今日のブックマーク&記事■
□JAL航空豆知識「飛行機に乗ると耳が痛くなることがあるのはなぜですか」 https://www.jal.co.jp/entertainment/knowledge/agora12.html
□トラベルビジョン10月25日付記事 「フィンエアー、福岡線開設で記者発表会、支店開設計画も」 http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=69663
□トラベルボイス http://www.travelvoice.jp/
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