秋のウィーン・ブダペスト22日間の旅 その1

Europedia2018-10-31

[海外旅行] 秋のウィーン・ブダペスト22日間の旅 その1

2008年以降、2012年を除き毎年、秋にヨーロッパ旅行http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20121209に出かけているが、今年も9月21日(金)から10月12日(金)までの22日間、ウィーンとブダペストを訪れる旅に出かけてきた。

長崎の家は、旅行中に直撃ではないものの2つの台風が西方海上を通過し、オリーヴの樹や甘夏ミカンの木がかなりの被害を受けていた。帰国後その処理や、伸び放題となっていた芝生や雑草の刈り込み作業などもあってレポートが遅れてしまった。

遅れたのにはもうひとつ理由がある、数日前にレポートは書き上げていたのだが、当ブログが利用している「はてなダイアリー」に頻繁に障害が発生しているのだ。


 不在の間に、枯れたシャンツァイやディルからとった種を庭に蒔いておいたら、広い範囲に渡って成長していた。とくにシャンツァイはとても使い切れないほどだ。このほか、2メートル四方のハーブガーデンに種まきしておいたサラダ・ミックスも豊作で、年末まではサラダに不自由しないで済みそうだ。帰国後に、3つの畝に蒔いたルッコラの種も早くも元気に芽を出し始めている。
また、港に面した側の庭ではコスモスも花盛り。落とし種から芽を出した何本かのヒマワリも開花している。



 初回の今日は、フライトの選択と利用体験を中心に書いてみる。記事の一部は2016年秋のフィンエアー利用の旅レポートから流用させてもらう。

 今週末から、これまた恒例で、生まれ故郷の唐津に“おくんちhttp://d.hatena.ne.jp/Europedia/20161109見物に出かけるので、次回以降のレポートは大幅に遅れるかも知れない。

 今回の旅の主要テーマは、昨年同様“秋の音楽シーズン−コンサート鑑賞旅行”といったところだ。ウィーン・フィルウィーン交響楽団の演奏会のほか、ウィーンでの客演公演のあるサンクトペテルブルクフィルハーモニー交響楽団(旧レニングラードフィルハーモニー交響楽団)、南西ドイツ放送交響楽団(SWR Sinfonieorchester)が聴けるのでこの時期を選んだ。この期間にグスタフ・マーラーのコンサートが4回も聴けるのも理由のひとつだ。

実質19日間の滞在期間の間に14回のコンサートを鑑賞することができた。いつもなら、音楽会シーズンが本格化する10月後半に出かけることが多かったのだが、今年は聴きたい演目の関係から早めに出かけることになった。おかげで、ホテル料金は高い時期に当たり、しかもこのところ定宿としているHotel Royal http://www.kremslehnerhotels.at/en/hotel-royal-vienna/は旅程の最初の部分が満室だった。結果的には8月末にすべてRoyalで取れたのだが。ウィーンのホテルの手配は10%ほどのリピーター割引が効くアップルワールド(サイト名はホテリスタに変わった)http://hotelista.jp/を利用した。
 時期を考慮してもウィーンの便利なロケーションにあるホテルの値段は毎年高騰を続けている。グルテンフリーの食生活をしていることと、ウィーンに住んでいた頃のように市場で買い込んだ食材を自分で料理したいという思いもあるので、来年からはキチネット付きのホテルやアパートメントでの滞在を考えてみたいと思う。


 今回、利用したフライトは、2016年http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20161020同様フィンエアーhttps://www.finnair.comで、本欄「JALマイレージを利用して提携航空会社の運航便を利用」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20160226で紹介した「フィンエアーのページ」https://www.jal.co.jp/jalmile/use/partner_air/partner/ay/に出ていた福岡−ヘルシンキ−ウィーンという往復旅程。必要とするJALマイレージはエコノミーで50,000マイル、ビジネスで80,000マイルだった。JALマイレージが貯まっていたので、今回もビジネスクラスを利用。80,000マイルのほかに、燃油サーチャージが21,000円、空港税や保安料などが18,580円、計39,580円がかかった。

JALマイレージは、2年に一度はヨーロッパ・ビジネスクラス往復が利用できるほど貯まる。と言ってもJAL便を頻繁に利用しているわけではなく(例年国内線を2往復する程度だ)、いわゆる“陸マイラー”だ。
 公共料金を含め日常の支出は極力、日本航空のマイルが貯まるJALカード(ショッピングマイル・プレミアム)http://www.jal.co.jp/jalcard/function/jpp.html を使っている。このカードは海外でのショッピングでも100円に付き1マイルが付くので、(1マイルがいくらに相当するかは1マイル5円など諸説あるが、私は1マイル3円と評価している)100円の利用で3%得するとも考えられるわけだ。

 さらに、マイルが2倍たまる特約店 http://partner.jal.co.jp/site/tokuyakuten/をインターネット経由などで利用すれば“6%得する”ことになる。書籍や食料品、ワイン、ホテルなどの旅行関連商品、パソコンなどの電気製品も“割高でなければ”JALカード特約店で買うようにしている。ちなみに上記、特典航空券の燃油サーチャージ、空港税&保安料のJALに対する39,580円の支払は特約店扱いなので倍の792マイルが付与された。

 JALは成田発のヘルシンキhttp://www.jal.co.jp/inter/route/helsinki/を、ボーイング787-8の機材で毎日運航しているが、JALマイレージ利用の場合、ヘルシンキまでは 利用できても、それから先のウィーンなどを組み込むには、JALマイレージバンクの提携社特典航空券>フィンエアーhttps://www.jal.co.jp/jalmile/use/partner_air/partner/ay/にある「モデルプラン」で別途マイレージを交換しなければならない。この時期、ヘルシンキ−ウィーンのビジネスクラス往復は35,000マイルだった。

実は、今回のフライトもJAL自身のヘルシンキ線やフランクフルト線を使おうとしたのだが、ビジネスクラスは例年になく混んでいるようで、待っていてもマイレージ特典に割り当てられた席が空いてくる見込みが立たなかった。

 本欄、「ビジネスクラスを割安に利用する方法を発見」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20150930で紹介したJAL海外ダイナミックパッケージ(航空券+宿泊)https://www.jal.co.jp/intltour/jaldp/を利用し、ヘルシンキやフランクフルトへ飛び、到着地で一泊した後、別途手配でウィーンに入るするケースも考えたが、ビジネスクラスは同様に混んでいて、早期にフライトを確定することはできなかった。

フィンエアーも旅行手配を始めた3月の段階では、マイレージに割り当てられた席が空いていなかったが、諦めずに時々空席状況をJALのJMB提携航空会社特典航空券予約画面https://www.jal.co.jp/jmb/award_inter/booking/partner/や国際線 特典航空券の申し込み電話窓口に電話していたら、4月中旬になって、予定より長期の22日間なら取れるようになっていた。9月21日の出発では留守宅の台風被害が気になったが、予約が遅れると取れなくなる可能性があったので、思い切ってフライトを確保した。


なお、帰国してからすぐに、「来年の2月17日より、羽田からウィーン直行便が毎日運航!」https://www.ana.co.jp/ja/jp/international/promotions/hnd-vie/?cid=EMM180480atmというANAの発表があった。羽田を01:55に出て、ウィーン着06:00 、帰りはウィーン発11:50 、羽田着翌日の06:55というスケジュールだ。これなら、長崎からも前泊することなく楽に接続できる。料金次第だが来年からは選択肢のひとつだ。
 ANA プレスリリースhttps://www.ana.co.jp/group/pr/201810/20181015-1.htmlでは、「羽田=ウィーン線を新規開設」となっていたが、ANAは一時期、成田=ウィーン線を自社のジャンボ機で定期運航していた。インターネットで調べてみてもその時期は判明しないが、 ANAグループ企業一覧−年表詳細https://www.ana.co.jp/group/company/ana/chronology/1990.htmlに「1996年3/31 東京−ウィーン−パリ線開設」と書かれている。


 福岡空港国際線ターミナルは、私の住む長崎から高速バスで2時間20分ほど。午前5時半発の始発に乗れば、7時50分に国際線ターミナルに着くので、出発当日の移動にすることもできるのだが、早起きが苦手なことと、台風シーズンであることも考えて前日の内にJRの特急「かもめ」で博多まで移動し、前泊する旅程を組んでおいた。

 ヘルシンキ行きAY76便は9月21日09:54に福岡を出発し、14:37にヘルシンキへ到着(日本との時差6時間)。ここで、シェンゲン協定国への入国審査を受け3時間弱の待ち合わせ時間をビジネスクラス・ラウンジや免税店の下見で過ごし、ウィーン行きのAY767便で17:26にヘルシンキを出発し、18:41(ウィーンとの時差1時間)にウィーン着。

 フィンエアー福岡発着便の運航日は福岡行きが火曜と木曜、土曜、ヘルシンキ行きは水曜と金曜、日曜となる(9月26日からは福岡行きが火・木、ヘルシンキ行きが水・金で、10月27日までの季節運航。2019年は4月25日から運航再開の予定)。ちなみにフィンエアーの2レターコードAYは旧社名のAero Oyに由来する。航空関係の略号は知っておいた方がなにかと便利なので興味のある方は本欄の「航空・旅行業界で使う略号をマスターしてみよう」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20050208をご参照のこと。

 AY76便の機材はエアバスA330-300型機で、座席数は263席(ビジネス45席、エコノミー218席)。ビジネスクラスのシートhttps://www.finnair.com/jp/jp/business-class-long-haul は、フルフラットだがJALANAのようなパーテイションによる個室感はない。また、食事や飲み物などのサービスも北欧らしいシンプルさで、個人的には好感が持てた。しかし、日本の航空会社やエールフランスのような競争によって磨き上げられた洗練さは期待しない方が良いようだ。


 食事は、フィンエアーのウェブ上から、好みのものを予約しておいた。航空券はJALのウェブで“特典予約”したが、予約後はフィンエアーのウェブに名前と予約番号を入力すると、食事の指定、座席の変更、送迎などの諸手配が可能となるのだ。

 福岡→ヘルシンキの昼食の主菜は、「蒸し寿司−穴子、錦糸卵、帆立、厚揚げと海老の煮物」、到着前の軽食は機上での選択で「懐石弁当、味噌汁+フレッシュ・フルーツ」。ヘルシンキ→ウィーンの軽食は「Gulten Free Diet」を事前注文。平目のグリルがメインで、グルテンフリーのパンが2種類添えられていた。

 帰りの、ウィーン→ヘルシンキの便も事前注文で「Gulten Free Diet」。苦手なチキンのカレーライスがメインだった。図らずもダイエットする結果となった。ヘルシンキ→福岡の夕食の主菜は「牛肉のステーキ 味噌ソース、スウェーデンの蕪のグリル、しめじ炒め、御飯」を事前予約。到着の前に機上での選択で「サーモン塩焼き、煮物、御飯、香の物」の軽食をとった。

 当欄の「機内食グルテンフリー、アレルギー対応」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20180513でもふれたが、小麦アレルギーなので、できるだけグルテンフリーの食生活を送るようにしているが、いずれの航空会社もグルテンフリーやアレルゲン対応ミールの写真を見ると余り食欲をそそられない。そこで、欧州域内の乗り継ぎ便だけグルテンフリーの食事を予約し、長距離便の食事はグルテンフリーにこだわらず、パンだけライ麦パンを選ぶようにした。


 一昨年フィンエアを利用した時は、フィンエアーのウィーン空港送迎を事前に予約しておいた。しかし、空港の通関後のゲート前でネームボードを掲げて迎えてくれるということだったが見つけるのに15分ほどかかった。また、料金も空港のCity Transfer counterで頼む定額ハイヤー料金よりも高かったので、今回は予約をせず、直接カウンターで料金€36の定額ハイヤーを頼んだ。

 数年前まで、ウィーン・ミッテ駅までノンストップで16分のシティ・エアポート・トレイン(CAT €12 事前インターネット購入は€11)https://www.cityairporttrain.com/de/homeと地下鉄かタクシーでホテルへ向かっていたのだが、日本時間にすると午前2時頃の移動となるので、年齢と疲れを考慮してハイヤーにした。料金的にもシティ・エアポート・トレインの到着駅からタクシーを利用すると合わせて30ユーロ近くになるのでハイヤーと大差はない。

ハイヤーのドライバーはトルコのイズミールの出身で、私が「40年ほど前にウィーンからイスタンブールまでヒッチハイクで行き、イスタンブールのブルーモスク裏のユースホステルに滞在して、ワインと食事代を含めても1日$3で過ごせた」ことを話すと、トルコの現状を詳しく聞かせてくれて、「若者の安宿滞在でも$30は必要だ」と言われた。楽しい昔話ができたので、ホテルに着いたときに「昔の1日分の生活費」と言って、たまたま持ち合わせていた$1札を3枚チップとして渡すと大笑いしながら受け取り、握手を求められた。


 続いて、帰途のフライトの話も書いておこう。

いつものことながら帰りの荷物は、ウィーンやブダペストで買い込んだ土産物で大変な量になる。今回は、23kgの荷物を3個まで預けられたので、安心して買い込み、いつもよりさらに多めの荷物になってしまった。
 一番大変だったのは、ブダペストで買ったヘレンドの大皿やスープ皿など11枚の皿だ。このほかにも、ハンガリーのカローチャ刺繍のテーブルクロス4枚、ウィーンのホイリゲで出される1/4リットルのワインジョッキー。パプリカの粉やスープの素、ウィーンの森の蜂蜜、コーヒー豆、チョコレート類、フィンランドライ麦クリスピーブレッド、果物をマスタード風味のシロップにつけたMostardaの瓶詰めなどの食材。木箱入りのザッハートルテ3個、音楽CD50枚、書籍類などなどだ。

これらの大荷物を、大型スーツケースと行きは機内持ち込みにしたキャリーバッグ、キャリーバッグのハンドルに取り付けられるソフトバッグの3つに分け、ヘレンドでも貴重な大皿などを機内持ち込みのバックパックに入れた。預けた荷物の総重量は50キロほどだ。

大荷物なので、ホテルと契約している空港タクシー(€44)を呼んでもらった。

 フィンエアーのウィーン空港でのチェックインは、専用カウンターでの手続きなので、自動チェックインのように戸惑うこともなく極めてスムーズだった。よせば良いのに、ウィーンの空港の免税店でさらに、リンツァートルテというアーモンドをまぶした名物ケーキなどを買い込んでしまった。


 ヘルシンキ行きAY1472便は10月11日11:16に飛び立ち、14:37(ウィーンとの時差1時間)にヘルシンキ空港に到着。ターミナルを移動し、セキュリティー・チェックや出入国管理などを通過し、ラウンジでひと休みした後、出発ゲートへ向かう。ヘルシンキ空港はよくできていて、ターミナル間の移動中に免税店の中を横切らなければならない仕掛けだ。ここで、チーズ3種類詰め合わせや、愛用のオーデコロンの大瓶、ライ麦クリスピーブレッドなどを購入する羽目になった。

 福岡行きのAY075便は、沖止めでバスに乗っての搭乗となった。座席には免税ビニールバッグに入れられたワイン3本やオリーヴオイル、フィンランド製スィーツの瓶詰め3個、頼まれていたフィンランド製クリーム瓶などが鎮座していた。

 これは、2年前の旅でも利用した便利なフィンエアーのサービスで、今回は、帰国便出発の一週間ほど前に、フィンエアーのサイトで事前注文しておいた。注文できる免税品は旅立つ前にフィンエアーのサイトで見当をつけておいた。機内誌にも商品の案内が出ていた。重たい免税品を持って空港を移動する必要がないので便利な制度だ。

 これらの品を含めた機内持ち込みの総重量は機内持ち込みのバックパックとショルダーバッグ、途中で買った免税品や座席に届けられていた免税品を含めると36キロもあった。預けた荷物と合わせると86キロのお持ち帰りだ。

AY075便は、16:47にヘルシンキを出発。翌10月12日(金)の朝08:03に無事福岡空港に到着した。預けていた荷物の方は無事では済まず、詰め込みすぎたせいかキャリーバッグのファスナーが外れ“パンク”した状態だった。フィンエアーのテープが何重にも巻かれていたのでヘルシンキの空港でパンクが目に止まったのだろう。担当者から「手荷物事故報告書」をもらい、帰宅後、保険の手続きをし、3週間後の現在も修理に出たままだ。
 昨年の帰路は、ウィーンからオーストリア航空でフランクフルトに飛び、JAL便で成田、羽田から国内線で長崎というルートだったが、事前に危惧していたとおりにロストバゲージの憂き目に遭った。同一航空会社の乗り継ぎなら安心と思っていたら、どのような乗り継ぎ便を利用したか分からないが、フィンエアーの同じ便で福岡に着いたヨーロッパのカップルはロストバゲージに遭い、「大事なイヴェントに出席するためのフォーマルウェアーが間に合わない」と嘆いていた。

 福岡空港のヤマト宅急便カウンターでは、2つの預託荷物を預けた。メインのスーツケースは行きに長崎の自宅から「クロネコ空港宅急便」で空港に往復割引を利用して送った。往復で、4,508円だ。追加のソフトバッグは片道で1,477円。

 行きはJRの特急「かもめ」で長崎から博多駅まで移動したが、帰りは福岡空港国際線ターミナル前から出ている長崎駅行きの高速バスを利用した。所要2時間半。料金は2,700円だが、回数券を持っていたので2,057円で済んだ。

実は、ヘレンドのスープ皿5枚やワインジョッキー2客、瓶詰めなどの割れ物もメインのスーツケースやトロリーバッグにエアクッションなどで厳重にくるんで入れておいた。帰宅して荷ほどきをしてみると、有り難いことにいずれも無事だった。

次回は、いつになるか自信がないが、音楽会の演目やチケットの入手方法などについてふれてみたい。




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