英語の“デジタル・ガイドブック”を活用しよう その2

 ExpediaやOrbitz、Yahoo! Travel などにデジタル・ガイドブック・コンテンツを提供しているwCities.com http://www.wcities.com/は、その利用サイトの多さとマルチ言語展開、モバイル対応などの先駆性から一人勝ちの様相を呈している。
 wCities.comのトップページからは、70カ国に及ぶ1,900都市の情報をフルに見ることができる。
 また、Customers http://corporate.wcities.com/customers.html のページを見るとアメリカの大手旅行販売サイトOrbitzのほかAmericanAirlinesやYAHOO!TRAVEL、AMADEUS、Pegasus、RailEuropeなど30数社を顧客として抱えている様子が分かる。各アイコンをクリックすると当該サイトへ飛んでいくことができる。
 wCities.com の機能の充実ぶりはServices http://corporate.wcities.com/services.htmlのページで詳細に見ることができる。英仏独伊西の五カ国語を基本に、多くの言語でも提供されている。携帯情報端末やモバイルへの対応、イヴェント情報の提供、ルーティング機能、ヴァーチャル・ツアー、天気予報、ホテル予約などカスタマイズ次第でさらに多様な機能が活用できることが分かる。
wCities.comのデジタル・ガイドブック・コンテンツの具体的利用法については、当欄の「英語のウェブ・ガイドブックで昔の旅を“復元”その2」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20051216を参照していただきたい。 

wCities.com の一人勝ち状態に待ったをかけそうなコンテンツも立ち上がってきている。World66.com http://world66.com/ は、もともと、その土地に詳しい編集者が世界中の1万に及ぶ都市・地域を案内するサイトだったが、大幅に模様替えして一般旅行者参加型の旅行体験書き込み型ガイドブックとして再スタートした。ちょうど、日本の「フォートラベル」http://4travel.jp/に似た投稿中心のサイトだ。現在は、ベータ版だが欧米の大都市を中心に書き込みが急激に増えているようで、すでに80,000件を越える記事が集まっているという。 トップページの世界地図からも、その下のBrowse Destinationsをクリックすると、世界の国→主要都市を選ぶことができる。試しにItalyを開き、イタリアのトップページの下段にあるTop Destinations in Italyのリストから、Florence(フィレンツェ)を開いてみると、左フレームにMap、Climate、Sights、Eating out 、Accommodation、History、Events&Festivals、Day Trips、Shoppingなどの目次が現れ、そこから詳細ページに入ることができる。
実は、このWorld66.com が、最近注目を集めている誰でも書き込みのできるフリー百科事典「ウィキペディアWikipedia)」http://ja.wikipedia.org/の、「Wikitravel」http://wikitravel.org/en/Main_Pageというプロジェクトとジョイントしていくことになりそうなのだ。「ウィキトラベル」http://wikitravel.org/ja/という日本語のページもすでにできている。「Wikitravel」の詳細は、「ウィキペディアのウィキトラベル プロジェクト」
http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20060421を見ていただきたい。
Wikitravelとは別にWikiのシステムを使った旅行サイトも続々と立ち上がっている。たとえば、アメリカのユタ州のアドヴェンチャー旅行に関する旅行素材やクチコミなどを自由に書き込んでいけるEntradautah http://www.entradautah.com/wiki/Main_Pageというサイトがある。このサイトは「Join the travel revolution」と広く一般に書き込みへの参加を呼びかけており、新たな地域旅行ポータルを作ろうとの熱気が感じられる。

最後に、デジタル・ガイドブック・コンテンツの先駆者とも言えるサイトをいくつか挙げておこう。Lonely Planet Online http://www.lonelyplanet.com/は、Shoestring Guidesシリーズなどで有名なオーストラリアのガイドブック出版社のホームページ。トップのDESTINATIONSの世界地図とプルダウンメニューから国や都市が選択できて、歴史や交通、イベント、見どころなどの基本情報を見ることができる。世界の最新トレンドや口コミ情報などを集めたBluelist http://www.lonelyplanet.com/bluelist/のページやリンク集http://www.lonelyplanet.com/travel_links/の充実ぶりも要注目だ。
 旅行雑誌が提供するデジタル・ガイドブック・コンテンツとしてはConde Nast Traveler Magazineが運営しているConcierge.com http://www.concierge.com/も見逃せない。
 旅行記や旅の提案を中心にコンテンツ展開している英語サイトとしては、http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20050513でGoNOMAD http://www.gonomad.com/やRec.Travel Library http://www.travel-library.com/index.html、TripAdvisor.com http://www.tripadvisor.com/がある。
参考過去記事:
「パソコン上に“旅行事典”を築いて情報収集自由自在」 http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20050909
「日本の旅行サイトが新たな海外情報コンテンツを導入」http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20060113
「英語のウェブ・ガイドブックで昔の旅を“復元”その1」
バーコードリーダーと携帯で詳細な観光ガイド」 http://d.hatena.ne.jp/Europedia/20051227