今のうちに入手しておきたい絶版になったガイドブック

  同朋舎が出していたフルカラーで俯瞰図や建物の透視図、動植物の図鑑的ページなどヴィジュアル性豊かな贅沢な作りのガイドブック・シリーズも出版社の破綻に伴い絶版となってしまった。
同朋舎は1994〜95年にかけて、フランスのGallimard社の系列出版社Nouveaux Loisirsが出していたシリーズを日本語訳した「〈旅する21世紀〉ブック 望遠郷」(全15冊−サンフランシスコ、ウィーン、ローマ、イスタンブール、タイ、ロンドン、モロッコヴェネツィアアムステルダムプラハフィレンツェ、ニューヨーク、アテネシンガポール&マレーシア、エジプト)とイギリスの Dorling Kindersley社のEyewitness Travel Guidesを訳した「地球・街角ガイド タビト」(全12冊−パリ、ニューヨーク、プラハ、ロンドン、フィレンツェ&トスカーナ、フランス、サンフランシスコ、ローマ、ウィーン、プロヴァンスヴェネツィア&ヴェネト、アムステルダム)とを一挙に出した。
  翻訳物では実業之日本社が出していた「ミシュラン・グリーンガイド」(全14冊−ニューヨーク、パリ周辺、ロワールの城、プロヴァンス、イタリア、ギリシア、パリ、スペイン、ロンドン、スイス、オーストリア、ドイツ、フランス、カナダ)も今となっては貴重だ。
 これらの本は、日本の読者が求めるようなショップやレストラン、ホテルなどの詳細な情報は載せていない。それが、一回の出版で終わり長続きしなかった原因のひとつであるが、見方を変えれば、観光・芸術鑑賞が中心の内容であるから少しばかり情報が古くなってもその価値は大して変わらないとも言える。
上記のガイドブックは、JTB系列の財団法人日本交通公社が運営する「旅の図書館」http://library.jtb.or.jp/(東京都千代田区丸の内1−8−2)で閲覧することもできる。ここには、ガイドブックはもちろん、地図や各航空会社の機内誌、観光局のパンフレット類、航空・鉄道時刻表、民族学誌などもそろっている。雑誌や新聞の旅行関連記事もスクラップされているので旅行直前に籠もってみるとよい。「旅の図書館」のホームページには「図書検索」の機能も設けられており、「同朋舎」というキーワードで出版社名を検索すると上記の2シリーズが揃っていることが分かる。
その本自体が欲しくなったら、古書販売サイトてじっくりと探すとよい。オンラインの古書販売サイトについては、山口執筆のメールマガジン「海外個人旅行・特別講座」のバックナンバー閲覧ページhttp://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Ocean/5894/euroback.htmlから開くことができる179号「絶版となった海外旅行ガイドブックの探し方」でも特集しているのでご参照いただきたい。
☆右上の写真は絶版となった「望遠郷」と「タビト」の両シリーズ