秋のウィーン・ブダペスト22日間の旅 その4 「5年ぶりのブダペスト」

*[海外旅行] 秋のウィーン・ブダペスト22日間の旅 

  その4 「5年ぶりのブダペスト

 

10月9日(月)旅行開始から5日目  ブダペスト

   ウィーンのHotel Indigoに不要な荷物を持参したソフトバック入れてクロークルームに預け、軽くなった大型スーツケースで10:15にホテルをチェックアウト。13番のバスでウィーン中央駅へ。駅構内で、寿司などの弁当を売っている店でサーモン巻き寿司の小€4.9を買って、出発ホームへ。予約していた、Railjet Xpress 61号は11:40出発の予定だが14分遅れで11:54に出発。
   実は、9月19日に予約をしていたオーストリア連邦鉄道からこの列車がハンガリー国内の区間の軌道改良工事のため30分程度の遅れがあると予告のメールが来ていた。出発の段階から遅れがあったので、30分以上の遅れを覚悟した。
 ハンガリーに限らず、ヨーロッパでは鉄道インフラの老朽化による工事での運行休止やバスなどでの振り替え輸送が発生しがちなので旅行開始前の情報収集が欠かせない。
   鉄道とブダペストのホテルの予約や料金については、「秋のウィーン・ブダペスト22日間の旅 その1」https://europedia.hatenablog.com/entry/2023/11/17/143226に詳しく書いておいたので興味のある方はご参照を。

     

Railjet Xpress 61号のビジネスクラス・シングル座席

   列車は工事区間を徐行しながら、結局、定刻より45分遅れの15:04にブダペストのメイン・ステーションであるBudapest-Keleti 駅に着いた。所要3時間10分。
   駅では、地下にある交通局の窓口で番号札を取って順番待ちし、72時間の市内交通フリーパスを5,500Ft.で購入。クレジット・カード払いで、後に、2,262円の精算が回ってきたので。ハンガリー通貨1フォリント(Ft.)は約0.41円ということになる。2018年の秋の旅行でも0.41~0.42円だったので、ほとんど変わりはない。と言うことは、ハンガリー通貨も日本円同様、対ユーロ・ドルで下落しているということだろう。

 ブダペストの駅からドナウ河沿いのホテルまでの移動は信頼できるタクシー会社に電話するのが一番スムーズだが、配車に時間がかかることと、通い慣れたルートでもあるので地下鉄と市電を乗り継いでホテルに向かった。駅には客待ちの個人タクシーが並んでいるが、相変わらず料金トラブルが絶えないとTripadvisorなどに書き込まれていたので敬遠した。なお、ハンガリーでは配車アプリUberは使えない。

 

   ブダペストのホテルは、2011年にも泊まったInter Continental Budapest   https://www.ihg.com/intercontinental/hotels/jp/ja/budapest/budhb/hoteldetail のドナウ河ビューの部屋。前回も同じランクの部屋だったが、料金は2倍になっていた。
 チェックイン時に、コンシェルジュに以前通ったジプシー音楽の演奏が聴けるレストランの予約を相談したが、一番行きたかった修道院を改造したクラシックなRestaurant Karpatiaは、コロナの余波で閉店していた。代わりに教えてもらった3軒のレストランはいずれも知っている店だったが、滞在中の食事はそれらの店でとることにした。
  以前は、ジプシー音楽やハンガリーフォークロア・ショーが盛んに催されていたのだが、事前にネットで調べたところ、滞在中には開催がなかった。念のために、現地のインフォメーションBudapestinfo tourist information centre                https://www.budapestinfo.hu/en/budapestinfo-pointsでも聞いてみたが、やはりコロナの影響もあって皆無だった。

   インターネットの存在しない30年以上前から利用していたプレイガイドJegymester  https://jegymester.hu/のサイトや各音楽会場のサイトでもチェックしたが、コンサートやオペラ、オペレッタ民族音楽や舞踏の公演も聞きたいものは見つからなかった。
 実は、ハンガリー国立オペラで10月1日に行われたマーラーの「第8交響曲」(千人の交響曲)のチケットを12,700 Ft(5,298円)で5月中旬の段階で購入していたのだが、諸般の事情で日本出発を10月5日にずらさざるを得なくなり、キャンセルもできず残念な思いをしていた。国立オペラからは公演の数日前に、わざわざメールで、デジタル・プログラムも送られてきていたのだが。

 

   さて、ブダペストのホテルで荷物の整理を済ませ、17時過ぎには、外出し、上記のTourist informationで情報収集をした後、繁華街Vaci通りにある40年近くの友人のアンティーク店Vali Folklór(Vaci utca 23 http://valifolkart.hu/lang/en)に顔を出した。いつも、ここでは、カロチャ刺繍(kalocsa embroidery)などアンティークのテーブルクロスや壁掛けを買っているが、2004年5月にハンガリーEUに加盟した後、オリジナリティーのある品が少なくなってきているようだ。友人によれば、EU加盟後、刺繍などの民芸品の生産地であった山間部の農村から、都市や他のEU加盟国への移住が増え、過疎化が進んでいるそうだ。とくに、若い男性の移住が目立ち、それに伴い、娘さんが嫁入り道具でもあったリネンやテーブルクロスなどを手でせっせと編んだり刺繍を加えるという習慣もほぼなくなったそうだ。
 以前は、ウクライナルーマニアなど近隣国のハンガリー人居住地にまで仕入れに出かけていた友人は、10年ほど前からは、ブダペストなどの都市で老人たちの遺産として残された民芸品を買い取るようになったそうだが、それも今は絶えつつあって、仕入れに窮してきているという。
   友人は、「1980年代から90年代にかけては、店の前の繁華街を通る外国人旅行者の8割は日本人だったのに、今は、まったく見かけない」と嘆いてもいた。8割は大げさだと思うが、繁華街のみやげ物店で買い物をする外国人旅行者の5割近くは日本人という時代があったことは記憶している。   

 今まで40年近くにわたってこの店で買った数十点のアンティーク刺繍や格言や家訓を個性的な絵柄を交えて刺繍したクロス類は希少なものとなりつつあるようで、わが家の箪笥ひと棹は、そのストックであふれている。貴重な品ではあるが、これからは、仕舞い込まないでどんどんふだん使いして、友人等の目に触れるようにしよう。

   今回、友人の店ではカロチャ刺繍やマチョー刺繍のテーブルクロスなど4点ほどを購入。いつもと比べれば少ない買い物だ。
 留守中の長崎の庭の面倒見てくれた友人夫妻にカロチャ刺繍をレースで囲んだテーブルクロスをプレゼントしたら、敷物として使うのはもったいないと、額に入れて飾ってくれた。カロチャ刺繍(ハンガリー語でKalocsai hímzés)に興味のある方は、検索してみると、日本語だけでも多くの関連サイトが見つかるだろう。
   私自身は、カロチャ刺繍では、カラフルなものより、グレーやブラウン、ブルーなどの単色のグラデーションのものが好みだが、そういうものは少なくなる一方だ。 
 そう言えば、2016年には、わが家の長テーブル用に、戦前のものだという3メートル×180センチの手刺繍入りで房で縁取りされたテーブルクロスを購入したが、友人の話では、「あのような品は、もう博物館に行かなければ見られないよ」とのことだった。

   

マチョー刺繍のショール  

     


     

   夕食は、ホテルで予約してもらった、友人の店のすぐ近くにあるSzázéves étterem http://www.szazevesetterem.hu/eng/というレストランでとった。店名は、「創業100年の老舗レストラン」といった意味だが、実際には1831のオープンでバロック建築の館の中にある。私も、40年ほど前に取材で訪れたことがあった。当時は、格式の高い公営レストランだったが、現在は、民営化され、ジプシー音楽目当ての観光客で賑わっている。
   フレッシュサラダ(2,790Ft.)、グラーシュ・スープ(2,990Ft.)、ポーク・ピカタ(4,990Ft.)、バラトン湖のRieslingワイン(11,990Ft.)などをオーダー。サラダやスープを食べ終わらないうちにメインが運ばれてきたので、早すぎるのでと戻してもらったら、後でレンジで温めたものが出てきた。昔なら、あり得ないチグハグなサービス振りだ。と少し、嘆いていたら、デザートのグンデル・パラチンタ(2,690Ft.)があまりにも美味しかったので、すぐに機嫌を直した。これは、発祥のレストランGundel https://gundel.hu/en/の名が付いた名物デザートで、クルミパウダーとラム酒を混ぜたものをクレープで巻き、チョコレートソースをかけたものだ。ラム酒に火を点けた状態でテーブルに運ばれてきた。

        

青い炎が残るグンデル・パラチンタ

   お勘定を頼むと、当然ではあるのだがハンガリー語で書かれた計30,940Ft.の計算書が出てきた。昔から、ハンガリーでは、5~10%のチップをクレジット・カードでの勘定書き分の支払いとは別に現金で置くことにしていたので、2,000Ft.を置くと、「重ね重ねご丁寧に有り難うございます」と言われた。ホテルに戻ってから勘定書きを解読してみると、felszolgálási díjという項目がサービス料のことだと分かった。コロナ以前からのことらしいが、課税逃れを避けるためにチップに相当するサービス料(店によって異なるが10〜15%程度)を料金に上乗せして勘定書きに計上するよう当局からの指導が徹底してきたようだ。サービス料はszervizdíj と表示されることもある。
   ハンガリー語ウラル語族に属するので西欧の言語からの類推ができないので旅行者には困ることが多々あるようだ。料理やワインに関するハンガリー語は分かったつもりでいたがサービス料やチップに関しては事前勉強しておくべきだったと反省している。

  

Százéves étterem の楽団

   なお、このレストランは2014年の10月にも利用していた。当時のメモを見るとメインに好物のキャベツの肉詰めソーセージ添えなどを頼んだフルコースとワイン1本、食前酒と食後酒で13,100Ft.(当時の1フォリントは0.45円)だった。今回は2.5倍ほどに値上がりしていた。その頃はウィーンの半額ほどでフルコースとワインが楽しめた。
   念のために、Tripadvisor https://www.tripadvisor.com/ブダペストのレストランの相場を見てみると、Chesp Eatsというエコノミーなレストランでメイン・ディッシュが3990~5,990Ft.、Mid range(中級)で4,990~7,990Ft.、Fine Dining(高級店)で7,990~15,990Ft.といったところのようだ。ウィーンの同クラスのレストラン値段の7~8割ほどという実感だ。

   レストランからは15分ほど歩いてドナウ河と王宮、チェーン・ブリッジなどの夜景を楽しみながらホテルに帰還。


          

ドナウ河とチェーン・ブリッジの眺め


10月10日(火)旅行開始から6日目  ブダペスト滞在

 Inter Continental Budapestホテルの朝食は、グルテンフリーのパンや生野菜のサラダ、フルーツ、チーズなども充実していて、充分満足。

 10:30にホテルを出て、先ず歩いて10分ほどにあるOTP銀行(ゆうちょ銀行のようなもの)で、日本円3万円をハンガリーフォリント71,750Ft.に両替、1円が0.418Ft.で、クレジット・カード利用の際の換算レートとほぼ同じだった。
   両替をする際に、母親の旧姓と名前を書くように言われて、今でもそうなのかとドキッとした。実は、社会主義の時代から両替率の良いOTP銀行で両替をしていたが、その頃も母親の名を聞かれた。当時、ハンガリーの友人に聞くと、社会主義の時代になって亡命者が増え、その追跡調査のために母親の旧姓を聞くことになっていると言われて驚いた記憶がある。EUに加盟した現在もその制度が残っていたのだ。


 ここから、西駅近くの地下鉄3号線Lehel tér駅に隣接するレヘル生鮮食品市場https://lehelcsarnok.hu/ に向かう。レヘル市場は、中央市https://piaconline.hu/en/central-market-hall/と違い、観光客は少なく地元の人たちが日常の買い物に訪れる市場で、おおむね中央市場より安い。私の目的は量産品ではない超辛口のパプリカ粉の購入。実は、コロナ禍もあって、5年間ブダペストを訪れることができなかったので、パプリカ粉が手に入らず、得意料理のグラーシュを友人たちに振る舞うことができず困っていたのだ。日本で手に入るパプリカ粉は辛みがなくハンガリーの味は出せない。日本でも通販でハンガリーのパプリカ粉は買えないことはないが、お土産用の小袋がほとんどで、高価な上に、フレッシュなものは少ないようだ。
 レヘル市場のパプリカは辛口が250gで1,900Ft.、中辛が1,700Ft.。2016年の秋には、辛口が750Ft.だったので、7年の間に2.5倍に値上がりしていたことになる。友人たちに頼まれていた分も含め計1kgほど購入。

                 

レヘル市場      

   市場からは、地下鉄で西駅まで出て市電に乗り換え、マルギット橋の東側Szent István大通り3番地にあるBÁV  http://www.bav.hu/というオークションハウス兼質屋の支店に行ったが、ここは閉店していた。昔は、ここでヘレンドのアンティーク陶磁器をよく買っていたのだが。
 もう一軒、マルギット橋の西側Frankel Leó 通り14番地にも支店があったのを思い出し行ってみたが、ここも閉店していた。いずれもホームページ上では生きていたのだが。
  後で、繁華街Vaci通り近くのBécsi utca通り1番にあるBÁVの大型店にも行ってみたが、営業していたものヘレンドやフォークロアのアンティークは、極端に数が減っていた。

   2軒の閉店していたBÁVをまわった後は、291番のバスと216番のバスを乗り継いで、ブダ側の王宮の丘を訪れた。ここでも、2軒ほどアンティーク・ショップを覗いたがめぼしい収獲はなかった。ドナウ河を見下ろすネオロマネスク様式の漁夫の砦やマーチャーシュ教会などを見物した後、丘の西側にある静かな公園のベンチで休憩。

          

王宮の丘から国会議事堂を臨む

   バスでホテル近くのIstvan広場に戻り、ミニスーパーで昼食代わりのサンドイッチを買って、ホテルに戻る。途中、昔3度ほど泊まったことのあるSofitel Budapest Chain Bridgeが、今回は閉鎖中のようで予約が取れなかったので、どうなっているかと見に行ったら、なんとカジノに建てかえ中だった。
   部屋に戻ると、出かける前にテーブルランプが切れているとメイドさんに言っておいたら、取り替えられていた上に、修理係からのお詫びのカードと、お詫びの印に修理工の象徴であろうハンマーの形をしたチョコレートが添えられていた。そのしゃれっ気に心が温まった。
              

ハンマーの形をしたチョコレート

 夜は、ホテルのコンシェルジュに予約してもらった歩いて12分ほどのイシュトヴァーン大聖堂の近くにあるRézkakas Bistro Easy Terasz  https://www.rezkakasbistro.hu/というレストランへ出かけた。この店は、以前2回ほど来たことがあった。観光客がほとんどというレストランだが、テーブルの配置の仕方のせいか、客同士で、旅してきた経験を語り合ったりと、和やかな雰囲気が気に入っていた。今回も、隣のテーブルのアメリカ人の母娘と知り合い、楽しく過ごせた。試しにYoutubeでRézkakas Bistro で検索すると、その雰囲気を伝える動画がたくさんヒットした。
 前菜はガーデン・サラダ3,900Ft.、メインにハンガリー固有の希少種のブタで国宝にも指定されているマンガリッツァ・ポークのコードンブルー7,900Ft.。英語メニューにはなぜか豚カツ(Mangalitza pork Tonkatsu,washabi-potato puree,cucumber salad,ginger)と書かれていた。デザートはショムローイ・ガルシュカ3,500Ft.(Somlói galuska-ラム酒に漬け込んだスポンジに、チョコソースとクルミ入り生クリームが乗っているスイーツ)。ワインは、トカイ地方のSárgamuskotályというマスカットの香りのする中辛口ワイン10,900Ft.を頼んだ。楽士さんには、オペレッタの曲をリクエストしたので2,000Ft.のチップを置いた。

             

ツィンバロンとバイオリンのデュオ



             

ホテルの部屋からのドナウ河と王宮の丘の眺め

   

10月11日(水)旅行開始から7日目  ブダペスト滞在

   この日は、昔、よく歩き回った通りを再訪して回ることにした。10:30にホテルを出て、まず、高級ブティックや劇場などが並ぶAndrassy大通りを散策。Oktgon広場に出て、市電に乗りKalvin広場で下車。Vámház大通りを歩いてアール・ヌーヴォー建築の中央市場を訪れた。
   市場では、1kgの大袋に入った辛口パプリカの粉(6,500Ft.)を買い足し、さらに地下のスーパーでおみやげ用に100gの小袋に入った中辛口のパプリカ粉(599Ft.)を5つほど購入。市場の2階には、食堂やみやげ物店が並んでいる。みやげ物店には、カロチャ刺繍風のテーブルクロスなどが所狭しと並べられている。

       

Andrassy大通りにある国立オペラ    

       

アール・ヌーヴォー様式の中央市

      

市場内のパプリカを売る店

   市場からは、繁華街Vaci通りを延々と2km近く歩いてホテルに戻る。途中、Burger Kingを覗いてみると、グルテンフリーのバンズを使ったハンバーガーがあったので、購入。2,170Ft. 、日本円で904円と随分割高だ。   
  ホテルの部屋でハンバーガーとコーヒーでドナウ川の景色を楽しみながら昼食。ひと休みした後、昨日に続いて、バスで王宮の丘に登り、再度、散策を楽しんだ。

     

聖イシュトヴァーンの騎馬像と漁夫の砦

   15:30にホテルに戻り、昼寝の後、入浴。夜は、昨夜のレストランの近くにあるAszú Étterem http://www.aszurestaurant.com/ へ。ここも、 ホテルのコンシェルジュに予約してもらっていた。ここは、ハンガリーの民族楽器ツィンバロン(金属製の弦を叩いたり弾いたりする楽器で楽器の分類としては「共鳴箱付き板ツィター」とされる)単独の演奏だ。
   前菜は、ルッコラとブルーチーズ、ナッツ、西洋なしのスライスというコンビネーションのサラダ3,600Ft.にしたが、これがなかなか美味。昨夜で味をしめたトカイ地方のSárgamuskotályのワイン8,900Ft.ともよくマッチした。この店はトカイワインの品揃えで評判。昔は、よく貴腐葡萄を混ぜて作られた甘口のTokaj Aszú ワインやTokajワインとアプリコット・ブランデーなどで作るプスタ・カクテルを食後のデザート時に飲んでいたが、甘口ワインが苦手になったのと、そもそも酒に弱くなったので、最近は食後酒を控えている。
  メインは、牛スネ肉の煮込みトリュッフ風味のグレイビーソース・ポテト添え7,900Ft.。デザートは、昨夜と同じショムローイ・ガルシュカ2,900Ft.。お勘定は、計27,590Ft.(11,504円)。勘定書きには15%のサービス料(felszolgálási díj)が含まれていたのでチップは置かなかったが、ウェイターさんに不満の表情は全くなかった。
 ツィンバロンの楽士さんは、こちらの映画「第三の男」のハリー・ライムのテーマのリクエストに見事にこたえてくれた上、ウィーンでよくツィターで奏でられる馴染みの曲を聴かせてもらえたので2,000Ft.+€5のチップを置かせてもらった。

           

前菜のコンビネーション・サラダ

           

ツィンバロン奏者

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10月12日(木)旅行開始から8日目  ウィーンへ

   11:00にホテルをチェックアウト。ブダペストに来るときと違い、荷物が増えていたので、ホテルが契約している個人タクシーでBudapest-Keleti 駅に向かう。タクシー料金は、駅まで6,000Ft.と聞いていたが、チップとして500Ft.を追加した。

  ウィーンからブダペストへ行くときは、線路工事で30分の遅れを予告されていたが、帰りの列車も10分程度の遅れの予告メールがオーストリア連邦鉄道から日本出発の前に届いていた。
  Railjet Xpress 64号の列車は11:40の定刻で出発。ウィーン中央駅へは、定刻より23分遅れの14:44に到着。

   この日は、夜にコンサートを鑑賞予定だったので、大幅な遅れを心配していたのだが、余裕を持って到着できた。行き同様、駅から路線バス13Aでホテルのすぐそばの停留所に到着。15:15には、再びHotel Indigoにチェックイン。

 ホテルの前に立つたびに思うのだが、ウルトラ・モダンで狭いファサードと、内部の広々として緑あふれるホテルの空間との格差があまりにも大きく、外観では随分損をしているように思えてならない
 部屋はブダペストへ向かう前に滞在していたのと同じ部屋だった。公園側から覗ける洗面台横のガラスの小窓が気になっていたのだが、帰って良く見ると磨りガラスに変えられていた。 
 預けていた大型ソフトバックをクロークルームで受け取り、部屋で荷ほどきし、入浴後、少しベッドで横になってから18:15には部屋を出て地下鉄で2駅の楽友協会へ向かった。

   

Hotel Indigoのファサード

   この日のコンサートは、ウィーンの青少年を中心にした音楽鑑賞組織Jeunesse https://www.jeunesse.at/の主催。Wiener Symphonikerの演奏で指揮はリトアニア出身の若手Giedrė Šlekytė、チェリストはこれも1992年生まれの若手Kian Soltani。演目は、BÉLA BARTÓKのTanzsuite Sz 77、ROBERT SCHUMANNのKonzert für Violoncello und Orchester a-moll op. 129、ANTONÍN DVOŘÁKのSymphonie Nr. 7 d-moll op. 70。
 席は、2階のBalkon-Mitte Links, Reihe 7, Platz 7という良い席で料金は€ 57。プログラムは、以前と比べ値上がりしていて€ 4.9だったが、チップ€ 0.6を加えた€ 5.5を渡した。

   コンサートが終わったのは、21:40。まだ、周辺のレストランは開いていたが、疲れていたので、最寄り地下鉄駅KarlsplatzコンコースにあるマクドナルドでグルテンフリーのMcF1rst Beef € 4.9とBacon Hamburger Royal mit Käse € 5.2とギリシャサラダ € 5.6をテイクアウト。

   誤解されないように書いておくが、私はマックのファンでもなければ、ハンバーガーが格別好きなわけでもない。実際、日本でハンバーガーを食べた記憶はない。ただ、オーストリアの肉などの食材は安心できるので、外食に困ったときは緊急避難させてもらっているのだ。まぁ、もともと挽肉料理は嫌いではないのだが。
   ワインの買い置きがなかったので、ホテル近くのケバブのテイクアウト店でグリューナー・フェルトリーナー種のワインを1本購入。価格は€9と表示されていたが、種類が違うのか€7で良いという。店主に「安いね」と言うと、にやりと笑って「うちはいつでも正直値段」だよという答えが返ってきた。

         

楽友協会ホール

 


当欄関連過去記事:    

□2016-11-28 「初秋のウィーン・ブダペスト16日間の旅」 その3
  https://europedia.hatenablog.com/entry/20161128/p1

□2014-12-29 「10月 ブダペスト・ウィーン16日間の旅」 その1
  https://europedia.hatenablog.com/entry/20141229/p1

□2013-11-03 「ウィーン・ブダペスト15日間の旅」 その3
  https://europedia.hatenablog.com/entry/20131103/p1

 

■今日のブックマーク&記事■

□“The Vienna Philharmonic mourns the loss of Seiji Ozawa”
https://www.wienerphilharmoniker.at/en/magazin/die-wiener-philharmoniker-trauern-um-seiji-ozawa/6210

ウィーン交響楽団日本公演
2024年3月13日(水)~14日(木)  サントリーホール(東京)
  https://www.japanarts.co.jp/concert/p2061/

東洋経済ONLINE 3月1日記事

「豪雪で露呈、オーストリア『看板特急』の落とし穴」
  https://toyokeizai.net/articles/-/737656

今回の旅程

●2023年10月4日(水)~10月25日(水)「秋のウィーン・ブダペスト22日間の旅 その1 」オーストリア航空  長崎→成田 ジェットスター(成田1泊)→成田 オーストリア航空→ウィーン(4泊)→ブダペスト(3泊)→ウィーン(12泊)オーストリア航空→成田→ジェットスター→長崎

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