“更地”に植えた木々も芽吹き、ジャガイモの植え付けも。

*[長崎日記]“更地”に植えた木々も芽吹き、ジャガイモの植え付けも。  

f:id:Europedia:20220217053830j:plain

40センチほどの高さの垂れ梅

   2月は、長崎でも2~3年に一度ほど大雪に見舞われることがあり、昨年はわが家の庭にも21センチの積雪があった。今年は、17日の朝に初めてうっすらと雪化粧したものの午前9時頃にはその雪も消えてしまった。

         

f:id:Europedia:20220216231123j:plain

つかの間の雪景色

 しかし、2月は厳しい冷え込みの日が続き、そのせいか、例年は黄色く色づき始めるミモザや庭の10カ所ほどで自生する水仙も遅れ気味で、アーモンドや垂れ桃、ボケの芽吹きも遅れている。元気なのは、年末に40センチほどの高さの苗木を植えたばかりの垂れ梅と白梅だ。

              

f:id:Europedia:20220228061042j:plain

色づき始めたミモザ

 通常この時期は雑草刈りの必要もなく庭仕事は少ないのだが、昨年8月の大雨で壊れた擁壁の改修にともなって誕生した150平米ほどの新たな“更地”に12本ほどの果樹や桜、梅などを植えたので、その世話が結構大変だ。粘土質の更地なのでうまく根付くか心配していたが、甘夏蜜柑、ブルーベリー、ジュンベリー、トゲなし檸檬などからは新芽のきざしが見え始め、私の背の高さほどの南高梅にいたっては小さな花がほころび始めたのでひと安心だ。

             

f:id:Europedia:20220228053459j:plain

南高梅の花のほころび

 一番の大仕事は更地に新たなジャガイモ畑やハーブガーデンを作る作業だ。更地の大きな石やガラス片、瓦礫などが混じった粘土質の固い土をツルハシでほぐし、大きな石などを取った上で、園芸用の金網フィルターでふるいにかけて細かな土粒にして、畝作りの基礎に積み重ねていき、畝の両脇をふるいに残った小石で補強していくという気の遠くなるような作業だ。この作業で広さ150平米、高さ60センチほどの更地は、西側の部分から徐々に削り取って、元の庭の地面が露出してきているので、最終的に更地は100平米ほどに縮小される予定だ。

 畝の周囲には、緑肥にするために、刈り取った庭の雑草やコリアンダー、イタリアン・パセリ、ホースラディッシュなどの収穫済みの枝や葉を積み重ねている。なお、コリアンダーやイタリアン・パセリは、今でも後から出てきた若葉の収獲ができており、朝のサラダに重宝している。

   取り除いた大きな石や瓦の破片、レンガなどは 一輪手押しカートでせっせと建物の北側のフェンス際に積み上げている。2月の記事で書いたように、積み上げた石などと残土で緩やかなスロープを作り、そこに芝桜を植えるという友人の提案を実現するための準備作業だ。

 更地の西側には、とりあえず、ジャガイモの春作用に、5メートルの長さの畝を2本作ってみた。1本には、一週間ほど前に長崎固有のデジマ種の種芋を20個ほど植え付け、種芋の間に堆肥と肥料を埋め込んだ。もう1本の畝には近日中にメイ・クィーン種の種芋を植え付ける予定だ。

             

f:id:Europedia:20220223052538j:plain

春作用 種芋の植え付け作業

   去年の5月の記事https://europedia.hatenablog.com/entry/2021/05/31/141904にも書いたが、私自身はジャガイモアレルギーなので、収穫物はもっぱら友人たちへのプレゼントとなっている。食べられないジャガイモを毎年栽培し続けている理由は、1970年代に、ポーランドの友人を訪ねたとき、元将軍の父上に「日本は今は繁栄を謳歌しているかも知れないが、危機は突然やってくるものだ。いざというときの食糧難に備えてジャガイモの育て方だけは覚えておくと良い。ポーランドが第二次大戦を始め度重なる戦乱にもかかわらず餓死者が少なかったのは、ジャガイモを貯えていたからだ」と諭されたからだ。
   ポーランドの隣国ウクライナで、21世紀の出来事とはとはとても信じられない侵略戦争が起こっているのを目にし、その言葉の重みをかみしめながら、心新たにジャガイモ作りに励んでいる次第だ。
 ここ数日、ウクライナ現地から送られてくる生々しい映像の中には、家族用地下シェルターに大量のジャガイモや瓶詰めの自家製ピクルス類が保存されている姿もあった。
   生々しい映像と言えば、あれだけ平時にはテレビ等を賑わわせていた日本の“戦場カメラマン”たちはいったいどこに行っているのだろうか。


   これからの大仕事は、更地に2メートル四方のハーブガーデンを新たに作る仕事だ。こちらは、ジャガイモほど高い畝にする必要はないが、更地を耕して瓦礫類を取り除き、そこにふるいにかけた土粒をまき、さらに堆肥や培養土を重ねて高さ20センチほどのハーブガーデンの基盤を作る。3月末頃に、昨年末に採種しておいたバジルやコリアンダーの種、市販のサニーレタスなどの葉ものの種を播く予定だ。
              

f:id:Europedia:20220228060901j:plain

自生する水仙

  2月の下旬になると徐々に春めいてきたが、それにともない擁壁の大改修工事でなりを潜めていた猫が出没するようになってきた。猫の落とし物も迷惑だが、それ以上に花壇や畝を掘り返すのが許しがたかった。
 そこで、家を巡る擁壁上の要所に6カ所ほど設けていた鉄条網の障害物を補強することにした。というのも猫を追いかけてみると鉄条網の中を器用にすり抜けて逃げて行っていたからだ。補強を完成するとさすがに猫の侵略は減ってきた。
 その日の夜のニュースで知って申し訳なく思ったのは、よりによって補強作業をしたのが2月22日の、「猫と一緒に暮らせる幸せに感謝し、猫とともにこの喜びをかみしめる記念日」つまり「猫の日」だったことだ。


 さて、ウクライナの戦いは2月28日現在も続いているが、ここ数百年の中欧の民族の移動や国境の変遷を、あらためてヨーロッパで入手した何冊かの歴史地図やインターネット上の歴史地図等で振り返ってみている。
   インターネットで調べるうちに、第一次世界大戦後の1919年2月から1921年3月にかけてウクライナベラルーシ西部、ポーランド東部を中心に行われたポーランドとソヴィエト・ボリシェヴィキ政府のあいだの「ポーランドソビエト戦争」など、知らなかったウクライナ周辺の歴史を知ることが出来た。

   インターネット上の歴史地図等は、今までに当ブログで10回ほど取り上げたテキサス大学のPerry-Castañeda Library Map Collection https://maps.lib.utexas.edu/maps/が便利だ。ウクライナ関係の地図はUkraine Maps https://maps.lib.utexas.edu/maps/ukraine.htmlで閲覧できる。

 また、当ブログの“海外旅行にも役立つ?「作戦航法図」と「戦術的航法図」”https://europedia.hatenablog.com/entry/20160619/p1で紹介した、冷戦時代にアメリカが作っていた  100万分の1の作戦航法図(ONC-Operational Navigation Chart)と50万分の1の戦術的航法図(TPC-Tactical Pilotage Chart)もこのMap Collectionで見ることができる。戦術的航法図のウクライナとその周辺国をカバーするTPC E-3C  https://maps.lib.utexas.edu/maps/tpc/txu-pclmaps-oclc-22834566_e-3c.jpgを見て現在の戦況と重ね合わせるとあまりのリアルさにぞっとした。
 この地図には、等高線が書き込まれ陰影法と段彩法という地図技法を駆使して、爆撃機コクピットから肉眼で見た景色に近いリアルな立体感が地図上で再現されていると言われる。冷戦当時の高層建築や工場の煙突、橋、高圧電線などの塔、滑走路などの地上の目標も書き込まれている。なにしろ、スパイ衛星を駆使して冷戦時代に作った代物だからリアルだ。

  ついでに、ちょっと古いが、当欄で地図関係を紹介した2つの記事も揚げておこう。
□“海外旅行出発間際に要チェックのサイト”https://europedia.hatenablog.com/entry/20100125/p1
□“世界歴史地図を持って時間軸をさかのぼる旅を旅しよう”
  https://europedia.hatenablog.com/entry/20041221/p1

             

f:id:Europedia:20220228053305j:plain

手元にある“紙”の戦術的航法図 ウクライナ西部リヴィウ周辺


   昨年10月の当ブログで、「欧米の旅行者物価があまり上がってないようだ」と書き、「欧米主要国の給料収入がここ数年で日本に比べ上昇しているようだが、日本人の収入は横ばい」と書いた。
 そう書いておきながら、日本円の対ドルレートが115円前後で安定的に推移していても、実感として日本円の価値がもっと減っているのではないかという思いが続いていた。
   と思っていた矢先に、ウェブ版日経新聞2月20日に「円の実力、なぜ50年ぶり低水準に 再浮上はあるか」https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB186BQ0Y2A210C2000000/?unlock=1 という円の価値に対する疑問に応えてくれる記事を見つけた。
 “通貨の実力は「実質実効為替レート」と呼ぶ指標で測る。この指標の低下は海外のモノやサービスを購入する際の通貨円の力が弱まったことを映す。なぜ実力が低下したのか。今後の展望を含め、3つのポイントから読み解く”という書き出しの、ちょっと長めの記事だが、図表を交えてわかりやすく書かれている。有料購読のロックは解除されている。


■今日のブックマーク&記事■


□ TRVLWIRE 2月15日記事   総合旅程管理アプリ「App in the Air」、世界600万人超利用
       https://trvlwire.jp/?p=24394&utm_source=mailnews&utm_medium=article&utm_campaign=20220215
 以下はTRVLWIREの記事より引用「アプリは搭乗便の旅程を集約して搭乗便を追跡したり航空会社のマイルをワンストップで管理したりできるのが特徴で、AR技術を使って手荷物が超過料金のルールに引っかからないように判定する機能や、コロナ禍で求められる検査結果やワクチン接種証明のアップロード機能なども導入。
 また、ユーザー同士が競い合ったり環境負荷を軽減したりできるゲーミフィケーション要素や各地でのオフ会開催などでもユーザーを楽しませている。日本語で利用方法などを紹介しているサイトも存在する」

元記事はGLOBETRENDERの“APP IN THE AIR IS A PERSONAL ASSISTANT FOR FREQUENT FLYERS”
    https://globetrender.com/2022/02/09/app-in-the-air-personal-assistant-frequent-flyers/

  “日本語で利用方法などを紹介しているサイト”は海外旅行.info https://kaigairyokou.info/の中の
  “【使い方】旅行記録&フライト情報管理アプリ「App in the Air」”https://kaigairyokou.info/app-in-the-air/
 
 なお、海外旅行.infoの「旅行ノウハウ」の項には“ahamoの海外ローミングが旅行で最強!”   https://kaigairyokou.info/ahamo-roaming/など海外でのモバイルやPCでの旅行計画作成に役立つサイトが数多く紹介されている。


□トラベルボイス2月17日記事“次に注目する旅行者層は「デジタルノマド」? 欧州の観光局が着目する最新トレンドを分析した”   https://www.travelvoice.jp/20220217-150637?tvm


□Aviation Wire  2月22日記事“伊ITAエアウェイズ、羽田4月就航へ 1日1往復”
https://www.aviationwire.jp/archives/245411


□CNN TRAVEL 15th February 記事“Europe's new train routes for 2022”
   https://edition.cnn.com/travel/article/europe-new-train-routes-2022/index.html


□トラベルボイス2月21日記事
“旅行ガイドブックの世界大手「ロンリープラネット」、旅行プランニングのスタートアップ企業「Elsewhere」を買収”   https://www.travelvoice.jp/20220221-150697?tvm


□Yahoo Japan 2月17日記事“ウクライナの危機は中東の食料危機?”
  https://news.yahoo.co.jp/byline/takaokayutaka/20220217-00282543


□ウェブ版日経新聞2月27日記事“欧州航空会社、南回りでアジアへ ロシア上空避け”
  https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR275D30X20C22A2000000/


□Spotmydive 記事“10 best reasons to go snorkeling”https://www.spotmydive.com/en/learn-to-dive/10-best-reasons-to-go-snorkeling