収獲の季節と異常気象への備え。

*[長崎日記]  収獲の季節と異常気象への備え。

 

 

新たに設けたハーブガーデンの賑わい

 4月上旬に3日がかりで、今年初めて草刈り機で雑草を一斉に刈った。刈った雑草は通常ならその場に捨て置いて緑肥にするのだが、今年は石垣修復工事で新たに出来た裏庭の更地に栄養を与えるためそこに運んで積み重ねている。

   一番手強い芝生の雑草で目立つものは、東京の友人が腰を曲げる作業を見かねて送ってくれたグリーンカートに座って移動しながら手で抜き、同じように更地の緑肥にした。残った芝生の雑草は草刈り機で刈って、刈り取ったものを牧草用フォークで集め、やはり緑肥とした。

   芝生は30坪ほどの広さだが、北半分は手入れを半ば諦め雑草と共存させているが、南半分は極力雑草を取り、雑草のみに効くという芝生用の除草剤を撒き、目土などを入れ、ローンスパイクという道具で芝の根を切り土中に空気の通り道を造ってやる作業をし、肥料を施して芝生としての外観を保つようにしている。しかし、そろそろ限界で、芝生の張り替えも考えなければならないようだ。
             

 4月26日は季節外れの強い風雨があり、背丈ほどの高さに育っていたポールマッカートニー種のバラが倒れた。
 こちらは、本日、植木屋さんに春の剪定作業に入ってもらっているついでに、立て直してもらったので、おそらく再生するだろう。
   また、大雨で更地の一部に水が溜まったりする箇所をいくつか見つけたので、クワで排水路を作った。雨水の溜まりそうなところは、小学校の同級生に手伝ってもらって、更地から出た石や土砂をつかって堤防や雨水を誘導する傾斜を作り始めている。梅雨が始まるまでには完成できるだろう。

    

風で倒れる前日のポールマッカートニー種のバラ

   同級生には、かねて解決策を相談していた公道に面している路肩部分の柵作りも手伝ってもらった。わが家は、鍋冠山展望台への散策ルート上にあるため休日などは結構人通りが多い。困るのは、小中学生のグループが路肩を歩いて敷いてある砂利を公道に落とすことだ。路肩から飛び降りたりもするので危険でもある。そこで、同級生の車でホームセンターに行き、アルミの柵を購入し、立ち入り禁止の札と一緒に2カ所に柵を設置してもらった。おかげで、今のところ“侵入者”を防いでくれているようだ。

   ホームセンターでは、台風に備え窓を守るためのプラスティック段ボールや筒型の土嚢袋も購入した。土嚢袋は、玄関のガラス扉の下を通って押し寄せる雨水の防御のためだ。 

   わが家はヨーロッパ風に内開きの扉で統一したのだが、玄関は内開きの関係で水を押し返す傾斜が設けられなかったため強い風雨の際は、モップや使い古したバスタオルなどで内側に堤防を作っていた。しかし、よく考えてみれば内開きなので外に土嚢を積んでも支障はない。そこで、細長い枕状の土嚢を用意することにした次第だ。
   年々激しくなる異常気象に対する備えとしては、テラスの支柱や桟の補強などいくつかやるべきことが残っているのだが、建築のプロでもある同級生たちが手伝ってくれるので大助かりだ。

     

テラスにかかるモッコウバラ


   さて、家庭菜園の方は、新たに更地に設けた2メートル四方のハーブガーデン2カ所のうち先月中旬に種蒔きをした1カ所で、バジルやコリアンダー、ディル、二十日大根、サニーレタス、レタス・サラダミックスなど葉ものを中心とした収穫が始まった。
   更地には、7つの大型プランターを並べているが、そこからもベビーリーフやバジル、二十日大根などが収穫できている。おかげで、毎朝、ボールいっぱいの採れ立ての自家製ガーデンサラダをいただくことができている。

   もうひとつのハーブガーデンにも先週、バジル、イタリアンパセリ、ベビーリーフ、サニーレタス、サラダルッコラ、レタスサラダミックス の種を播いたが、早くも一斉に芽を出してきている。
   葉ものが育つのは嬉しいのだが、これから暖かくなると虫の被害が激しくなる。そのため、虫が嫌うバジルを葉ものの間に育ててはいるのだが、梅雨に入ればナメクジなども出没するので真夏の収獲は絶望的だ。

   虫に負けずに、緑の葉を70センチほどの高さに茂らせているのがホースラディッシュだ。昨年の大工事で生き残った2つの畝のほか、港側の庭や更地でも“自生”している。

 家庭菜園では、2月下旬と3月初めの2回にわけて、5メートルの長さの畝2本に植え付けたジャガイモの生育も順調で花も開き始めている。育ってきたジャガイモが畝からはみ出さないようにする土寄せの作業が必要な時期だが、緑肥をたっぷり畝の周囲に積み重ねていたおかげで、土寄せも少しで済みそうだ。5月末の収穫が楽しみだ。

   港側の庭に、例年通り胡瓜の畝を2つ作り、ネットを張り直し、一方には「早生節成胡瓜」の種を播き、もう一方には「夏すずみ」の苗を5つ植え付けた。種の方は無事発芽したが、苗の方は風雨に痛めつけられ3つだけ生き残ったので、隙間にあらためて種を播いておいた。

       

ホースラディッシュ(手前)とジャガイモ畑

   家庭菜園は、これからも拡張していく予定で、移住10年目にして、最大の作物収穫量を得ることができるよう努力するつもりだ。
   まずは、同じ畝で連作できないジャガイモの秋作のために、新たに更地に5メートルの長さの畝を2本作る計画だ。
   港側の庭には、工事で客土した土を利用して、虫に強いハーブ類用に8メートルの長さの畝を設ける予定でいる。

              
   果物類も順調に実をつけ始めた。とくに、昨年、工事のため移植したシークァーサーが豊作になりそうだ。4本の枇杷も摘果(間引き)を済ませてから緑の粒が急に大きく育ち始めた。去年以上の豊作が期待できそうで、友人にわけるほか、ジャムなどに加工しなければとても食べきれないだろう。
 2本のレモンも順調。既存の4本に新たな3本が加わった甘夏ミカンも平年以上の収獲が期待できそうだ。12本のオリーヴも花芽が揃ってきた。昨年秋に植えた2本のブルーベリーにも白い花が咲き、一部実もつき始めた。鳥の被害がなければ9月頃には初収穫できそうだ。元気がないのは2本のユズの木で、裏作に当たるのか去年より実の付きが少ない。
 ほかにも、アーモンド、枝垂れ桃、ジュンベリー、イチジクも例年並みか、それ以上の収獲が出来そうだ。

       

シークァーサーの花


   花の方では、モクレン、小手毬、花水木、モッコウバラが4月中旬まで華やかに咲いていた。昨年末に植えたシャクヤクも昨日開花した。
   庭には、倒れたポールマッカートニー種以外にも4種類のバラがあるが、いずれも花を開き始めている。
   来月は、庭のあちこち35カ所ほどで立ち上がってきているタチアオイが一斉に赤紫色の花を開くだろう。
   自生するコスモスもあちこちで目立ってきてはいるが、昨年の工事の影響で例年よりは少ない。そこで、来月に入ったら、混合種の種を蒔く予定だ。
   種蒔きと言えば、ゴールデンウィークの時期には毎年2メートル以上に育つロシアヒマワリの種を蒔き、夏には200本ほどのヒマワリ並木を作っていた。今年は、工事で運び入れた石垣や土を調整してスペースを作る必要があるので、少し時期を遅らせてから蒔く予定だ。

       

小手毬

   今月の上旬は、草刈り作業を集中的におこなったり、大工事の後始末の土や石の移動をしたりと筋肉労働が重なった。そのため、昨年は出なかった腕肩の痛みが始まってしまった。そこで、4月の中旬には2泊3日で、わが家からも遠望できる、長崎港外の伊王島http://www.ioujima.jp/にある温泉付きリゾート・ホテル「アイランドナガサキhttps://www.islandnagasaki.jp/で骨休めをしてきた。九州在住者限定の「九州割・お日にち限定」という割安なプランと季節限定の「伊勢海老特選プラン」「ワイン飲み放題」というオプションにひかれたせいでもある。伊勢海老づくしの料理が7皿続くコースには大満足。伊勢海老は伊王島の漁港で水揚げされた近海ものだそうだ。

伊勢海老と近海もの刺身の盛り合わせ

         
   コロナ禍が始まってから2年半ほど、国外はおろか九州外にも出かけていない。県外に出かけたのは、20年の秋に生まれ故郷の唐津、同年12月に福岡に出かけたぐらいだ。

   さて、その福岡だが、今まではJR特急「かもめ」で最速1時間50分ほどの所要時間だったが西九州新幹線と呼ばれる九州新幹線長崎ルート(博多-長崎、約143km)が9月23日に長崎-武雄温泉間(約66km)が部分開業することになった。武雄温泉で同一ホームの対面乗り継ぎして在来線の特急「リレーかもめ」博多行きに乗り換えると、長崎~博多間は最速1時間20分ほどで結ばれることになるそうだ。ちなみに、新幹線部分の長崎-武雄温泉間(約66km)の所要時間は22分前後となる見込みだ。

   料金が気になっていたが、JRが4月27日に国に認可申請した長崎~博多間の自由席特急料金と普通運賃の合計は、5,520円で、現行の特急「かもめ」の計5,060円より460円高くなる。思っていたよりは安い気がする。
   なお、全線開業のメドはまったく立っておらず(工事計画すらできていない)、このままでは15年ほどはこの部分開業状態が続くと予想されている。

 参考記事:
JR九州   西九州新幹線のページ   https://www.jrkyushu.co.jp/train/nishikyushu/
□「旅行総合研究所タビリス」2022年2月24日記事
「西九州新幹線『リレー方式』はいつまで続くのか。9月23日に部分開業するけれど」
    https://tabiris.com/archives/nishikyusyu-kaigyo/
長崎県 西九州新幹線のページ
      https://shinkansen.pref.nagasaki.jp/


 最後に、ヨーロッパ旅行をめぐる現況についてふれておこう。

   欧州への航空路はシベリア上空迂回の遠回りを強いられているが、JALANA、欧州系航空会社の多くが行き帰りともにジェット気流の追い風を期待できるようにルートの変更をおこなった。往路はアラスカ上空などを飛行する「北回り」、復路は中央アジア上空を通る「南回り」の航路を採用し始めたのだ。おかげで片道1~2時間の短縮が見込める。それでも所要時間は13時間30分~16時間程度となるようだ。
 個人的に興味のあるウィーン行きは、ANAは運休中だが、オーストリア航空は5月から再開の予定で、往路の所要時間は14時間20分が見込まれている。

   ルートを変更しても、燃料費、運航の諸経費は増加しており、減便、円安の加速もあって航空運賃は上昇傾向にある。
   旅行者にとって一番頭が痛いのは燃油サーチャージの値上げだ。JALの場合、6~7月発券分のサーチャージ(片道)は、北米・欧州・中東・オセアニアが36,800円(現行は22,000円)となるようだ。仮に、往復150,000円(諸税込み)の格安航空券があったとしても、これに往復サーチャージ73,600円が加われば、合計223,600円となる。

   現状では、訪問国にもよるが、この上に、所定のPCR等検査の費用として1人当たり往復で4万円前後の費用が加わる。

   このゴールデンウィークからハワイ方面を中心にパッケージ旅行が催行され始めているが、ヨーロッパ方面へのパッケージ旅行は商品企画は発表されているものの実際に催行されているものは皆無に近いようだ。
 日本自体が訪日観光旅行を原則的に受け入れておらず、しかも一日当たりの入国者数を未だに1日1万人に制限している。19年の外国人入国者数は1日平均約85,000人だった。観光鎖国の現状が変わらない限り、日本人だけが一方的に海外観光旅行し放題というわけにはいかないだろう。

   個人的にさらに気がかりなのは、円安の行方だ。これから米国の利上げが継続的に開始されるようだが、日本は政府の債務残高が巨額であるが故に利上げを人為的に押さえ込もうとしている。この両国の金利差が開いていけば行くほどに、日本が実質的に財政ファイナンス中央銀行が通貨を発行して国債を直接引き受けること)していることを内外の金融関係者が問題視し始めるのではないだろうか。そうなれば、円安は1ドル130円程度では到底収まりそうもないし、スタグフレーション(不況下の物価高騰)も急速に進むのではないかと恐れている。
 1964年の海外旅行自由化当初、海外旅行は高嶺の花で、庶民には手の届かない商品だった。そういう時代がまた訪れるのだろうか。

 

 花水木


■今日のブックマーク&記事■


時事ドットコムニュース4月19日記事
日航燃油サーチャージ値上げ 原油高騰で過去最高値―6月から」
    https://www.jiji.com/jc/article?k=2022041900895

日経新聞4月15日記事「ANAも欧州線で往路『北回り』航路 18日から」
   https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC15BKO0V10C22A4000000/

□トラベルボイス4月15日記事
「ホテル事業者が知っておくべき、世界の宿泊「非接触」化トレンド10選」
https://www.travelvoice.jp/20220415-150685?tvm

 

□“THE 2022/23 SEASON AT THE VIENNA STATE OPERA
https://www.wiener-staatsoper.at/en/staatsoper/media/detail/news/the-202223-season-at-the-vienna-state-opera/
While the first season of the current Staatsoper management focused on the scenic and musical renewal of the core repertoire and the current season on premieres of revolutionary works that marked milestones in music history, 2022/23 is dedicated to Gustav Mahler: Mahler's inauguration as director of the opera house will be celebrated for the 125th time in autumn 2022 - all new productions of the coming season have their very own connection to Mahler; some in a very direct way, others via interesting detours.