*[長崎日記] 桜が消えた春の庭、再生の道は遙か

*[長崎日記]  桜が消えた春の庭、再生の道は遙か


       

f:id:Europedia:20220307052736j:plain

港側の庭で咲き誇るミモザ

   例年なら3月のわが家の庭は、花で賑わい始めるのだが、昨夏の大雨による大修復工事で桜の木や花桃、ボケ、フタツバタゴ、ジュンベリーを伐採せざるを得なかったので、少々寂しいものとなっている。これらの花木以外にも、甘夏2本も伐採した。
   80センチほどの苗木を移植して9年目で4メートルほどの高さに育っていた桜にはとくに思い入れがあった。桜の木の下でよく花見の宴を張ったものだ。
   修復工事でできた更地に、枝垂れ桜の60センチほどの苗木を新たに植えたが、花見が出来るようになるには5~6年はかかりそうだ。
   2021年3月の桜  https://europedia.hatenablog.com/entry/2021/03/31/121201

   今年も賑わいを見せているのは、ミモザや枝垂れ桃、アーモンド、モクレン、バラ(ポール・マッカートニー種)などの花々だ。まもなく、小手毬やレンギョウモッコウバラも満開となるだろう。

                         

f:id:Europedia:20220325032946j:plain

紅白の花を咲かせる枝垂れ桃

 例年5月に見事な赤い花を咲かせた裏庭のタチアオイも半分ほどは工事の犠牲になったが、35カ所ほどで元気に立ち上がり始めている。
   昨年、港側南のオリーヴの樹が並ぶ庭に移植したタチアオイは、元気に育っていたものの工事の客土で犠牲になった。しかし、生存本能のなせる技か、港側北の若いオリーヴの樹が立ち並ぶところまで種を飛ばしてくれていたようで、一カ所で見事に育ち上がってきた。おそらく、来年以降も付近に種を飛ばし、さらに多くのタチアオイが道行く人の目を楽しませてくれることになるだろう。

 庭には20種類ほどの草花が自生しているが、名前のわからない花も多かった。そこで、“スマホかざすだけで花の名前がわかる千葉工業大学人工知能・ソフトウェア技術研究センターが開発したアプリ”「ハナノナ」 https://flowers.stair.center/を使っていくつか解明してみた。
   今の時期、一番庭にはびこっているのは、キイロハナカタバミホトケノザカラスノエンドウだ。続いて、タンポポ、ヤナギタンポポシロバナタンポポムラサキカタバミハナニラキツネノボタンなどだ。南アフリカ原産のキイロハナカタバミは庭の10カ所ほどで鮮やかな黄色い花を咲かせている。工事で出た粘土質の土を昨秋にオリーヴの樹のある港側の庭に60センチの高さで積み上げたばかりのだが、キイロハナカタバミはその新たな更地で一番元気に咲き誇っているのも不思議だ。
   工事の影響を一番受けた裏庭の更地では、早くもホトケノザの赤紫の花が一面に広がっている。ホトケノザの名前は、花の下にある葉の形が仏様の台座(蓮華座)に似ていることに由来しているとのこと。
   なお、春の七草にもホトケノザがあるが、こちらは同じように台座のように見える「コオニタビラコ」というキク科の植物のことを指し、わが家のホトケノザの方はシソ科で食用にはならないようだ。

 季節も変われば庭の草花も変わるので、これからも2ヶ月に1回ぐらいは「ハナノナ」チェックをしていきたいと思っている。

             

f:id:Europedia:20220330025344j:plain

更地を埋め尽くすホトケノザ

   実は、港側の庭の南半分にある7メートルほどの高さの6本のオリーヴの樹のうち1本が枯れてきているのを3月14日に発見。すぐに植木屋さんに連絡したところ、翌日に見に来てもらい、「幹が生きているので虫にやられたのではなく、おそらく工事で出た土を60センチの高さで積み上げ、根に水分が行き渡らなくなったせいだろう」とのこと。その診断の次の日には職人さん3人がかりでオリーヴの樹の根元を掘り上げ、木は再生の見込みがあるとのことで、枯れた枝だけを落としてくれた。

 昨年の10月に、6本のオリーヴの樹は根元に透水管と呼ばれる管を4本ずつ立て、その内側にパーライトと呼ばれるガラス質の火山岩から作られる人工用土を充填し通気性を確保していた。その模様は、当ブログの昨年10月の記事「快晴が続き、石垣の改修工事も順調」https://europedia.hatenablog.com/entry/2021/10/31/130212で紹介していた。しかし、予定より工事で出た残土が少なかったので透水管の70cmほどの部分が地表に飛び出していた。ご近所の人にも不思議がられるので、ついでに透水管の突出部分を切り取ってもらった。
   根元の掘り下げで大きな石の混ざった土が周囲に積み上げられたが、順次、一輪カートで裏庭に運び、改修工事でできた150平米ほどの更地に作っている新たな家庭菜園でフルに活用している。

             

f:id:Europedia:20220330025950j:plain

自生するキイロハナカタバミと掘り下げたオリーヴの根元

   さて、その新たな家庭菜園だが、ジャガイモの春作用に、5メートルの長さの畝を2本作り、1本には2月23日にデジマ種の種芋を22個ほど植え付け、3月5日にもう1本の畝にはメイ・クィーン種の種芋11個とデジマ種11個を植え付けた。
   一度猫に畝が掘り返されたが、それを除けば、順調に芽を出してきており、間もなく芽かき(間引き)の作業が必要になる。植え付けから収獲までは90日ほどかかるので、梅雨が来る前の5月末には収穫作業となる予定だ。 
   なお、猫にも植物に対する仁義があるようで、他の作物でも芽が出てから畝を荒らされることは滅多にない。仁義なき猫もたまにはいるが。

   更地にはほかに、2メートル四方のハーブガーデンを2カ所設けた。ツルハシで開墾し、石やガラス片、雑草などを除去し、ふるいにかけた更地の土や培養土、堆肥などを入れ、周囲を開墾して出てきた大きめの石で囲む。さらに、有機石灰、骨粉入り油粕などを土に混ぜておき、2週間ほど寝かせた後、種蒔きをするという段取りだ。

 一つ目のハーブガーデンには、3月12日に、昨年末に採種しておいたバジルやコリアンダーの種、市販の二十日大根やサニーレタス、レタス・サラダミックスなど葉ものの種を播いた。今日現在、播いた種すべてが発芽しており、2ヶ月ほどで食卓に上らせることが出来そうだ。

 一つ目のハーブガーデンを作るのには、一日1時間ほどの作業で1週間かかったが、二つ目のハーブガーデンは小学校時代の同級生が手伝ってくれたので半日の作業で完成した。こちらも2週間ほど寝かせた後、葉ものを中心に種蒔きをすることになる。勤労奉仕のお礼は収穫物の出来高払いだ。


           

f:id:Europedia:20220330025308j:plain

新たに設けた2つのハーブガーデンと背後に旧ハーブガーデン

   更地には、このほかに7つの大型プランターを並べて、ベビーリーフやバジルなどの種を蒔いた。今は、すでにそろって芽を出している。これらのプランターは大雨の被害の時にブルーシートの重しとして活躍したものだ。ベビーリーフをプランターに蒔いたのは、一番、猫の被害に遭いやすいから、踏みつけられるのを少しでも避けるためだ。

   更地や港側の庭の家庭菜園化をさらに進ませれば、食糧を自給するのも夢ではないだろう。庭には、甘夏や枇杷、レモン、シークァーサー、柚子、ブルーベリー、イチジク、などのビタミン補給源もたっぷりある。魚は釣り好きの友人知人との物々交換で入手可能だ。裏山ではイノシシや鹿も出没することだし・・・・。

 

   自給といっても、家庭菜園を作り維持するには、市販の園芸資材の助けが欠かせない。春・秋の少なくとも2回は、街外れのホームセンターNafco http://www.nafco.tv/stores/info/detail/193 まで出かけて、注文し、配送料550円で、接道していないわが家の100メートルほど手前の車が入れる場所から、手押しカートで何回かに分けて運び込んでもらっている。
   今回も3月28日に、培養土や堆肥、腐葉土、牛ふん堆肥、骨粉入り油粕、ガーデン用砂利、芝生目土、有機ぼかし肥料、猫・蛇よけタール、お酢の除草液など、30リットル袋換算で60袋ほどと、散水用ホースリール(30m)、鉄条網、厚手の防災シートなどの園芸資材と各種洗剤やトイレットペーパー、防虫スプレー、キッチンタオル、ステンレス伸縮竿、電池などかさばる日用品を届けてもらった。すべて合わせると500kgぐらいの総重量となっただろう。この配送サービスがなければ、わが家のホームガーデンは立ちゆかない。

   締めくくりに、現在の収穫物についてふれておこう。ブロックで囲まれた元々のハーブガーデンでは、ふつうは冬で収穫終了となるイタリアン・パセリやコリアンダーから次々に新しい若枝が出てきて、毎朝のサラダに役立っている。
 大工事で6つあった畝のうち、4つがつぶされてしまったホースラディッシュは、残りふたつの畝から新しい葉が伸びてきて、いつでも収穫可能だ。このほかに、更地に、枝根を埋めておいたところからも葉が出てきた。
 1月に収穫した甘夏377個はジャムにしたり友人にプレゼントしたが、新聞紙で個装して冷蔵庫の野菜室や床下の食糧庫に保存したものが100個ほど残っているので、5月頃まではもちそうだ。

                    

f:id:Europedia:20220330025612j:plain

アーモンドの花

 ところで、先月「あれだけ平時にはテレビ等を賑わわせていた日本の“戦場カメラマン”たちはいったいどこに行っているのだろうか」と書いたが、報道カメラマンの宮嶋茂樹氏がウクライナキエフに入っており、文春オンラインで「不肖・宮嶋、最後の戦場取材へ――。」https://bunshun.jp/list/author/6228204e776561a914000000という連載を開始されていた。民放の報道番組でも現地リポートをされているようだ。ご無事を祈りたい。


   さて、海外旅行についてだが、TRVLWIRE https://trvlwire.jp/3月28日記事に「ワクチン接種も不要、隔離など完全撤廃した国が22ヶ国に」とあった。「ワクチン接種も不要」というのは個人的に大歓迎だが、不要の国から隣国に移動する場合や国内公共交通の利用、コロナ感染に強い警戒心を持つ観光施設などでは、ワクチン接種証明書をいつ求められるかわからないし、感染状況によっては求められる書類等も急に変更されるだろう。
  最近、トルコへの個人観光旅行から帰ってきた知人の話では、帰国後「ようやく自宅待機の期間が終わり、本日から外出できることになりました。帰国後7日間隔離され、そのうち3日間はホテルに缶詰めでした」とのことだった。

 それに、ウクライナ情勢によりロシア上空通過欧州便の運航がストップし、北もしくは南回りの迂回を余儀なくされており、所要時間や燃料代が増加し、便数と目的都市も絞られている。もともと、燃料代が高騰し、燃油サーチャージも高くなっている。それに、円安も進行中だ。それらが航空運賃に反映されているので、コロナ以前のようにヨーロッパ往復10万円以下というわけにはいかないだろう。

 

f:id:Europedia:20220316053207j:plain

バラ(ポール・マッカートニー種)