賑わうハーブガーデンと果樹豊作の予感

*[長崎日記]賑わうハーブガーデンと果樹豊作の予感 

    

  裏庭の小手毬。手前は、タチアオイ

 ここ2~3年、庭で蜂が飛び回るのを見る機会が減っていたが、今年はなぜか多く見かけるようになった。そのためか、果樹類の花芽や実のつきが例年より目立って良くなっているようだ。
   とくに、新旧合わせて9本ある甘夏は白い花が賑やかに咲き、年末から新年にかけての収獲は、わが家史上最高の800個の記録を塗り替えそうだ。

   長崎名産の露地枇杷は1月の零下5度の寒波で大被害を被り県内の収穫量は7割減の見込みというが、わが家の4本の枇杷は、被害はほとんど見られなかった。4月3日に小学校の同級生3人が手伝ってくれて枇杷の実の摘果(間引き)作業を済ませた。高い木は4メートル近くに成長しているので、竿で高い枝を引っかけての作業となった。充分に間引きしたつもりだったが、間引いた後で成長が早まったようで、もう一度間引いた方が良さそうな枝も多数ある。作業参加の報酬は1人バケツ3杯分の枇杷の実と約束したが、6月にはバケツ30杯分ほどの大豊作になりそうで、生食ではとても消費しきれず、ジャムやゼリーなどへの加工作業が必要だ。

   6月には、枝垂れ桃やアーモンド、1年前に植えたアンズや南高梅の実も収穫が見込まれ、いずれも豊作の見込みだ。
   ブルーベリーの収穫は7~8月の予定だが、鳥のエサになるか、台風で落果するかというハードルがあるので、どうなることやら。ブルーベリーに限ったことではないが、わが家はまともに強風を受ける吹きさらしの尾根にあるので、防護ネットを張ったり、簡易温室を作ったりという対策が出来ない。

   秋になれば、2本あるレモンと柚子、擁壁工事で移植したシークァーサーが収穫期を迎え、順調にいけばこれらも豊作が期待できる。

 現在、収穫のピークを迎えているのは、3面のハーブガーデンと3メートルの長さの畝2本、7つの大型プランターで育てているルッコラやサニーレタス、レタス、サラダミックス、ベビーリーフなどの葉ものだ。コリアンダー(香菜)、イタリアンパセリ、ミント、ディルなどのハーブ類も収穫が続いている。来月からはバジルも収穫できそうだ。
   朝食にボール1杯のサラダをとるのが習慣だが、これらの葉もの、ハーブ類、二十日大根に庭のホースラディッシュをおろしたソースやオリーヴオイルなどをかけて食べている。もちろん自家消費では処理しきれないので、友人たちにも自由に収獲してもらっている。
 しかし、5月になれば葉ものはレタス類やバジル、ミントなどを除いて虫の害がひどくなり、収穫量は半減するだろう。例年なら梅雨入り前に盛んに活動を始めるナメクジも温暖化のせいか早くも出没している。

  

手前からサラダミックス、ジャガイモ、高く伸びたイタリアンパセリ

朝食のガーデンサラダ

 

   害と言えば、猫の被害も目に余る。3日前の夕方にも風呂の窓からハーブガーデンを覗いていると大きな影が動いていた。猫が芽を出し始めたバジルの畑を踏み荒らしていたのだ。毎晩のように踏み荒らすのでおそらく自分専用のトイレとでの考えているのだろう。昨日は、鉄条網でそのハーブガーデンを囲んでみた。しかし、その日の夕方に風呂から見ると、今度は猫がつがいで出現し、畑で傍若無人なふるまい。風呂から上がると2匹の猫は、テラスでノンビリと夕日を眺めていた。
 港側の庭にも胡瓜の苗を植え、ネットを整備した上に、鉄条網でバリケードを築いたが、猫がものともせず畝を掘り返し、6本の苗の内、2本が回復不能になった。猫の嫌がるマーキングをするワンチャンに庭のパトロールをまかせるしか手がないようだ。

   もうひとつ大きな被害は、30坪ほどの広さの芝生やオリーヴの樹の周りなどに深いもので15センチほどの穴が100カ所以上掘られていたことだ。植木屋さんの話では、土中のミミズなどを狙う夜行性のアナグマだろうとのことだ。今朝は、花壇の隙間にまで穴が掘られていた。
   穴を埋めるついでに、芝生が痛んで薄くなっているところを中心に目土を30リットルほど散布した。目土は春の発芽を促し、芝の葉を細くし直立させる役割があり、この季節には欠かせないメンテナンス作業だ。目土を撒いた後には、芝生専用肥料を10キロほど散布した。肥料を撒いて数日で芝生は青々と甦ってきた。刈り取ったはずの雑草まで伸びてきたのには参った。

 6カ所ほどある花壇は、昨年から植えていた花は、寒波などにより壊滅的だったが、鮮やかな色のアメリナデシコが復活したのを始め、芍薬や薔薇が元気だ。鉢植えから地植えに移し替えたアマリリスも順調に育っている。
 新たに、ダリア、マリーゴールドディアマンティーナ、ゼラニウムペチュニア、ホワイトボール、シレネ・ピンクパンサー など16鉢の花苗を購入して植えたが、これも順調だ。
   

鮮やかな色のアメリナデシコが甦った


 

   花壇以外では、今月、モクレン、小手毬、モッコウバラ、花水木などが開花した。寒波と雪の被害を受けたブーゲンビリヤは残念ながら植木屋さんに回復不可能と判断され、来月の庭の剪定のついでに撤去してもらうことになった。
       

モクレン



花水木

モッコウバラ

 例年5月に、2メートルほどに立ち上がり見事な赤い花を咲かせるタチアオイは、30カ所ほどで開花のきざしを見せ始め、早いものは4月中旬に開花した。

   2月下旬に、デジマ種の種ジャガイモ22個、メークイン種17個をハーブガーデンの一角や新たに整備した畝2本に植え付けた。ジャガイモは同じ畝での連作が出来ないので、毎年場所を変えなければならないのが面倒だ。例年より発芽が遅れたものの、その後は順調に育ち、開花も始まった。今月に入っても芽かき(間引き)と土寄せ、肥料の追加といった手入れをしており、このまま順調にいけば、虫の害が本格化する梅雨入り前の6月初めには収獲できそうだ。

   毎年、4月初めから本格化するのが、草刈り作業だ。庭の土が緑肥で年々豊になるためか、温暖化のためか、雑草の成長が早くから始まり、繁茂の状態も濃密になってきている。こちらの体力の低下もあって、今年は手に余りそうだと友人に相談したら、近くに東京からユーターンしてきて便利屋を始めた知り合いがいるというので紹介してもらった。

 4月上旬に3日に分けて2人の便利屋さんに作業をしてもらった。まず、芝生に生える雑草を手で抜くという作業から始めてもらい、次に、害虫の襲撃を減らすためにオリーヴやイチジク、甘夏、柚子などの果樹の根元や周辺の雑草処理、そして、石垣や窪地などがあるため機械では刈るのが難しい裏庭のフェンス沿いの雑草の手抜きを頼んだ。
 さらに、風呂場や屋外シャワーのカビなどの汚れ、建物の外壁の汚れの除去もお願いした。
   作業を見ていて、道具類の使い方が勉強になった。実は、10年前にケルヒャー社製の家庭用高圧洗浄機を購入して、倉庫に寝かせっぱなしだったのだが、便利屋さんもこれを駆使するとのことだったので、取り出して使ってもらった。風呂や外壁の汚れのほか、コンクリートのテラスなどの黒ずみにも有効なことが分かり、使い方を教えてもらった。
 また、自分では、金属製の回転刃の電動草刈り機を使っていたのだが、ビニールコードの草刈り機を使えば、建物やフェンス、樹木などを傷つけず草刈りできることをあらためて教えてもらった。 

  ASIN:B07K1VDZTB:DETAIL

 なお、便利屋さんたちの作業中に、私も、港側の庭で電動草刈り機を使って雑草刈りをおこなった。自生しているコスモスやヒマワリ、野花などの芽を残し、庭に潜んでいる有益な昆虫たちを傷つけないために、今までは地上10センチほどで刈り込んでいた。

 購読している長崎新聞に「風土の再生」という連載記事が有り、「風の草刈り」という手法が紹介されていた。地上10センチより高い、草が風で曲がるあたりをビニールコードの草刈り機で刈るという提案だ。早速試してみることにした。

   調べてみると、森林再生コンサルティングをおこなう Silva https://www.silva.or.jp/という事業体が「風の草刈り」を提唱していて、ホームページの「森知識・活動事例」→「風の草刈り」とたどると、「雑草にも様々な役割があります。その土地に必要な草が芽生え、細根で土壌を耕し、その身が枯れた時には、大地の肥料となり、少しずつ、より寿命が長い植物が育つことが出来る様にすることが雑草の役割です。雑草をすべて根元から刈ってしまうとその役割が果たせなくなってしまうので結果的に自然が回復するのが遅れてしまいます。そこで登場するのが優しく頭を撫で狩りし、細根と茎のバランスを整える風の草刈りなのです」と紹介されていた。
 「この手法では何回かに分けて草刈りを行う必要があり、かつ自然に枯れていくのを待つことになるため通常の草刈りに比べて草刈りが完全に終わるまでにかかる期間はやや多めになってしまいます。ですがその分1回1回の手間は軽減されますし、自然に枯れるまでの期間と枯れて行った雑草の栄養で土壌が豊かになるため結果的に総合的なコストや効果の面で通常の草刈りよりも優れているのです」とも書かれていた。
   詳しくは、下の「今日のブックマーク&記事」の冒頭に 「現代農業」連載記事“草を味方にする風の草刈り”へのリンクを張っておいた。興味のある方はご覧を。

 さて、毎年5月に待ち構えている庭仕事は ロシアヒマワリとコスモスの混合種の種を蒔く作業だ。両方とも、昨年の落とし種が自生を始めているが、補う必要がある。
   ロシアヒマワリの種(中国製)は入手が困難になっているようだが、通販で例年の1/4ほどの種を確保することができた。
   台風や虫の害、入手する種の品質の問題等で、数年前のように2メートルの高さのヒマワリが200本あまりの並木を作るという景観は望めなくなっているが、今年は蒔き方を変えて、整然と間隔を空けフェンスを支えにし、培養土や肥料を施して並木を目指すのではなく、港側の庭の空いた土地に種をバラマキ、自力で芽を出すのを待つという方針にした。
 したがって、景観よりも、枯れた後で土地を豊かにする緑肥としての役割を期待することになる。

       2013年7月のロシアヒマワリ  https://europedia.hatenablog.com/entry/20130729/p1

   一方、コスモスは充分に種も確保できたので、自生分に加えてカラフルな花畑となりそうだ。面白いことにコスモスも港側の庭に種蒔きしていたのだが、枯れた枝を裏庭の擁壁工事でできた新たな更地に持ってきて、種ごと緑肥にしたせいか、自生の数は裏庭の方が多い。ヒマワリにしろコスモスにしろ自然に近い生え方にするのが、これから目指そうと思っている自然農法にふさわしいように思える。


   草刈りや種蒔きなどの春の庭仕事の目途が立った4月11日から3泊4日で、春に恒例となっていた長崎港外の伊王島https://ioujima.nagasaki.jp/にある温泉付きリゾート・ホテル「アイランドナガサキhttps://www.islandnagasaki.jp/へ息抜きに出かけてきた。
   お目当ては、温泉はもちろんだが、4月から提供される伊王島漁港で水揚げされる伊勢エビづくしの料理とワイン。ツツジの咲く島内の散策も充分楽しめた。
 昨年同様、チェックアウト時に、「前回宿泊より3ヶ月以内のご宿泊」は50%引きという「Back To i+Land」というクーポンを頂戴した。前回は、予約のアクションを起こすのが遅れ、満室続きでせっかくのクーポンが利用できなかったので、今回は帰宅したその日に夏の海水浴シーズンの予約を取っておいた。
      

伊王島灯台ツツジ

     地元で穫れた伊勢エビのお造り

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

国際クルーズ船の来航が続くが、アウトバウンドは

 

  3月から再開された国際クルーズ船の長崎来航は、4月も順調に伸びている。乗船客は欧米人が中心だが、その中でもドイツ人が目立つ。わが家の前を通る鍋冠山への登山ルートにもドイツ人客が多く、声をかけてみると、ドイツから香港まで飛行機できて、ドイツの旅行会社が所有する船で東南アジアの2週間のクルーズを楽しんでいるとのこと。長崎へは釜山からやってきて、次は鹿児島港に向かうそうだ。

 4月に2度長崎に来航したドイツの「Mein Schiff 5」(98,785トン)https://www.meinschiff.com/のホームページのクルーズ検索(Kreuzfahrt suchen)を見てみると早々と来年3月の募集コースが掲載されていた。それによれば香港への飛行機代込みで3.819 €(60万円弱)。長崎でのオプションツアーには伊王島散策昼食付き(99 €)、原爆資料館や中華街をめぐるサイクリングツアー(69 € )など12のコースが掲載されていた。

 5月4日と20日には、過去何度も長崎を訪れている優美な姿の「クイーン・エリザベスⅡ」(9万900トン、乗客定員2081名)が久しぶりに寄港する。     
   5月4日来航のクルーズを調べてみると横浜発着の「春の沖縄リゾートと台湾クルーズ10日間」https://www.cunard.jp/cruises/q317/で、乗客は日本人が中心のようだ。

     

鍋冠山より見た クイーン・エリザベスⅡの出航(2014年3月)

 
   ちょっと気になったので、ドイツと日本の経済力指標を調べてみると、現在世界3位の日本のGDP国内総生産)は、円安がさらに進めば現在4位のドイツに逆転される可能性もあるそうだ。2022年の日本の人口は1億2,560万人、ドイツは8,390万人と、日本が50%ほど多いにもかかわらずだ。1人当たり名目GDPでは、ドイツはとっくに日本を上回っており、日本はイタリアに次ぐ世界31位だ。

   4月28日に、日本円は対ユーロで150円台となり、2008年10月以来、約14年半ぶりの安値を記録した。両替手数料やクレジット・カード手数料等を考慮すれば、実質160円近いのではないだろうか。ユーロ高も、日本からヨーロッパへのアウトバウンド旅行復活の障害となっているようだ。

 外務省海外安全ホームページの“今後の水際措置について(2023年4月29日以降順次適用)”https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2023C022.htmlを見ると、“全ての入国者に対して、「出国前72時間以内に受けた検査の陰性証明書」及び「ワクチンの接種証明書(3回)」のいずれも提出を求めません”と書かれていた。本来なら、これでヨーロッパへの日本人のアウトバウンド観光需要も伸びるはずだが、アジアやアメリカ方面に比べてかなり出遅れているようだ。

    ロシア上空の迂回も続いているので、長時間飛行向けの機材や乗員の再配置には困難が伴い、ヨーロッパ路線便数のコロナ禍以前の水準回復は遠い先のようだ。
 そのためもあって、航空運賃は高止まりしている。日系・欧州系を問わず、ヨーロッパへの直行便は燃油サーチャージ等込みの往復価格で、ビジネスクラスで80~110万円、エコノミークラスで21~31万円程度とコロナ禍以前の倍近い実勢価格となっている。

 個人的にはそろそろ、コロナ禍以前に毎年行っていたウィーンを中心とする「秋のヨーロッパ旅行」の手配を始める時期で、魅力的なオペラやコンサートのプログラムも発表され始めている。しかし、昔は、むしろ楽しみにしていた長時間のフライトが、歳のせいか、思った以上に精神的負担を感じている。もちろん、ヨーロッパのエネルギー価格上昇とインフレ、人手不足、円安ユーロ高などによる旅行者物価の高騰もネックだ。

 


■今日のブックマーク&記事■

□現代農業 連載記事“【大地の再生】(動画あり)第3回 草を味方にする風の草刈り”
  https://gn.nbkbooks.com/?p=20842
             
IMF The World Economic Outlook https://www.imf.org/en/Publications/WEO/weo-database/2023/April
 オーストリアの消費者物価がここ1年で9%ほど上がったことなどが読み取れる。

□ウートピ 4月26日記事
  “デジタルに頼りすぎない! 久しぶりの海外旅行でコピーして持っておきたいものは?”   https://wotopi.jp/archives/143471

ITmedia ビジネスオンライン04月26日記事 “GW直前で販売好調のスーツケース 製造元に売れ筋モデルを聞いた”
   https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2304/25/news157.html

□PRESIDENT Online 4/26記事“海外旅行後に送られてきた利用明細に衝撃…現地でクレジットカードを使う時に絶対やってはいけないこと”
  https://president.jp/articles/-/68769?page=1

□Bloomberg4月27日記事“割高な空の旅、まだまだ続きそう-航空運賃が安くならない理由”
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-04-27/RTR3Z0T0G1KW01

□トラベルボイス4月28日記事“フランスの旅行市場の最新事情を、HISパリの責任者に聞いてみた、新たな旅行スタイルから仕入れ環境の変化まで”
    https://www.travelvoice.jp/20230429-153309